かくれんぼが苦手(?)なクマ、ファーガスがいろんなところにかくれる絵本『ファーガス どーこだ?』(マイク・ボルト 作/加瀬健太郎 訳)。『オレ、カエルやめるや』(マイクロマガジン社刊)でおなじみのマイク・ボルトさんのかわいらしい絵と、加瀬健太郎さんの関西弁の訳が楽しい、さがし絵絵本です。
うまくかくれられないファーガスに、関西弁でつっこむ!
クマのファーガスがかくれんぼをするみたいですよ。「ファーガス、どーこだ?」のかけ声とともにページをめくると……。
あら! 全然かくれられていないですね。「ファーガス みーつけた! それ かくれてる つもりなん?」関西弁の声がおもしろおかしく合いの手を入れます。「もっかい いくで? ファーガス どーこだ?」
「みーつけた! さっきよりは いいけど まるみえやで。なんかの うしろに かくれたら?」さあ、次はアドバイスどおりにできるかな?「ファーガス どーこだ?」
今度は細〜い木のうしろにかくれるファーガス。もちろん丸見えです。「なあ、ファーガス、もしかして かくれるの にがて? そうや! おともだちが いっぱい おるところに かくれてみたら ええんちゃう?」
「ファーガス どーこだ?」次にファーガスがかくれたのは……?
アドバイスのおかげか、少しずつかくれるのが上手になっていくファーガス。最後のページでは、見事なかくれっぷりを発揮! さあ、あなたはファーガスを見つけられるでしょうか?
関西弁の訳を手がけたのは、写真家の加瀬健太郎さん
訳を手がけたのは『ぐうたらとけちとぷー』、『お父さん、だいじょうぶ?日記』(リトル・モア刊)など、そのユーモアあふれる文章でもファンが多い写真家・加瀬健太郎さん。関西弁訳の文章が、ファーガスのコミカルなかわいらしさを引き立てます。
(ちなみに加瀬さんは、気を抜くと典型的な関西のおじさんになってしまうので、「おじさんくさくない関西弁を」というのが、編集者が気をつけたポイントだそうです!)
そして、編集者のもうひとつのこだわりポイントが、表紙! 原書の雰囲気をそのままに、うまく日本語化できたのがうれしかった、とのこと。よーく見ると、ファーガスの手や毛が、日本語版では描き足されているのがわかります。
マイク・ボルトさんが日本語版のために描き足してくださったのだそうです。
巻末には、「ファーガスのほかにみつけるものリスト」がついていて、何度もさがして楽しめる絵本になっています。皆さんもぜひファーガスとかくれんぼを楽しんでみてください。