icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_hatena_01 icon_line_01 icon_pocket_01 icon_arrow_01_r

今週のおすすめ

「家族の認知症」を、子どもの目線で考える。『おばあちゃん、ぼくに できること ある?』

一緒に遊んだり、お手伝いをしたり。「ぼく」、オスカーは、おばあちゃんのことが世界一好き。でもおばあちゃんは、最近もの忘れをしたり、簡単なことができなくなったりしているみたい……。『おばあちゃん、ぼくに できること ある?』(ジェシカ・シェパード 作/おびかゆうこ 訳)は、大好きな家族が認知症になったとき、どんな気持ちでどう接するといいのか、子どもの目線から考えて理解を深める、あたたかな絵本です。


大好きなおばあちゃん。できないことが増え、施設に入ることに……

 語り手である主人公の男の子・オスカーは、おばあちゃんのことが大好き。公園で遊んだり、一緒に本を読んだり、お花を育てたりと、楽しい時間を一緒に過ごしてきました。
 
 でも最近おばあちゃんは、いろんなことを忘れてしまうみたい。なんでもないことがうまくできない日もあります。そんな時は、オスカーが手助けをします。
 「ぼく、おてつだいするよ。ねえ おばあちゃん、ぼくに できること ある?」

 そんなある日、おばあちゃんは、施設に入ることになり、引っ越しをしました。おばあちゃんのそばにいたいと思うオスカーに、パパは「お年寄りのための特別なおうち」があって、そこに住むのがおばあちゃんにとって一番いいと説明します。オスカーは少し緊張しながら、おばあちゃんのいる施設を訪れました。
 

新しいおうち、新しい環境。でもおばあちゃんのことが、ずっと大好き!

 おばあちゃんの新しいおうちは、これまでとまったく違っていました。広くていろんな部屋があり、いろんな人がいます。お手伝いの人はやさしくて、おばあちゃんには新しい友だちもできていました。お友だちのアルバートさんは、車いすに乗ることもあります。


 おばあちゃんはやっぱり、思い出せないことが増えていて、突然大きな声を出したり、オスカーが何度も聞いた昔の話をしたり、誰にも会いたくないと閉じこもってしまったりもします。悲しい気持ちになってしまうこともあるオスカーですが、そんなときは、家族やまわりの友だちに、ぎゅっとしてもらえば大丈夫。おばあちゃんが楽しかった記憶を覚えていられるように、思い出の箱をつくったり、昔の話を思い出せなくなったときに話してあげられるように、思い出話を覚えたり……。おばあちゃんのために自分ができることをしながら、どんなおばあちゃんも大好き!と、おばあちゃんへの気持ちをかみしめます。
 

介護施設で働いた経験のある著者が贈る、認知症への向き合いかたをやさしく案内してくれる一冊

 このお話は、男の子オスカーの目線で描かれているので、「認知症」や「介護施設」といった言葉は出てきません。かわりに「できないことが増えたので、お手伝いをしてくれる人がいる新しいおうちへ行く」、というように、やさしい言葉を使うことで、認知症やその症状について、やわらかく子どもたちに伝えています。
 また、作者のジェシカ・シェパードさんは、介護施設で働いた経験があり、施設の間取り図や施設での生活の描き方にも、その経験が生かされています。
 
 巻末には、認知症についての解説も掲載されていて、家族で認知症について考えるきっかけにもなります。ぜひ、おじいちゃん、おばあちゃんに思いを寄せながら読んでみてくださいね。

 

この記事に出てきた本

バックナンバー

今日の1さつ

バス好きの子なので、バスのタイトルにひかれ手にしました。「ピンポン」とバスの案内で子どもがあきずに最後までくいついてみていました。絵も都会の景色から田舎の景色へとかわり、最後の山の影を走るバスと夕やけの姿が印象的で好きです。(3歳・ご家族より)

pickup

new!新しい記事を読む