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今週のおすすめ

国語の教科書にも登場! 新年度によみたい『すみれちゃんは一年生』と「すみれちゃん」シリーズ

4月。幼稚園・保育園、学校、会社など、新たなスタートをきる人も多いころですね。

きょうご紹介する「すみれちゃんクロニクル」シリーズ(石井睦美 作/黒井 健 絵)は、幼稚園に通う女の子、すみれちゃんの成長を描いたシリーズ。なかでも、小学校に入学して環境がかわる『すみれちゃんは一年生』は、今の季節にぴったりのお話です。

おしゃまでおしゃれなすみれちゃん。妹が生まれて心境に変化が? 1作目『すみれちゃん』

 1作目のすみれちゃんは、幼稚園に通っています。まだ小さいけれど、おしゃまなすみれちゃんには悩みがいっぱい! 大好きな歌にのせて、あれこれ悩みを披露します。
 「すみれ」という名前が気に入らず、「♬あたしはこんなにおしゃれなこなのに、名前はちっともおしゃれじゃない♬」と歌うすみれちゃん。実はすみれちゃんの憧れている名前は、もっとおしゃれな「フローレンス」なのです!

 そんなすみれちゃんに、パパとママは、春に生まれたすみれちゃんが花の精みたいだったこと、植物図鑑ですみれの花をみつけて、ぴったりの名前だと思ったことを話してくれます。それを聞いて、すみれちゃんは、ちょっと自分の名前が好きになります。

 毎日たのしく過ごしているすみれちゃん一家に、ある日、赤ちゃんが生まれます。幼稚園の友達に、弟や妹がいる苦労を聞かされて、すみれちゃんは不安もかかえていましたが、生まれてきた赤ちゃんはとってもかわいくていい香りがする、すてきな妹でした。
 
 すみれちゃんとパパで植物図鑑をみて、妹の名前はかりんちゃんに決まりました。でも、妹ができてうれしい反面、たいへんなことも増えたよう。その悩みもすみれちゃんは、得意の歌とおしゃまな言葉でのりこえてゆきます。

すみれちゃんはおもいました。ママは、なんにもしゃべらないかりんちゃんのことは、よおくわかって、なんでもしてあげるのに、あたしがなにかしてっていうと、あとでねとか、じぶんでできるでしょとか、ひどいときには、うるさいわねっていうのよ。(中略)かりんちゃんがうまれてから、あたしはさんざんなの。
 「やれやれ」と、すみれちゃんは、声にだしていってみました。パパのくちぐせです。
 やれやれ、かあ。やれやれ。うん、いいじゃない。と、すみれちゃんはおもいました。それで、ひさしぶりに、うたをうたうことにしました。
 小さなすみれちゃんがお姉さんらしくなる過程が、あたたかくほほえましい1冊です。

今の季節にぴったり! 小学校に入学するすみれちゃん。2作目『すみれちゃんは一年生』

 2作目で、すみれちゃんは1年生になります。
 胸にお花のリボンをつけてのぞむ入学式、そのあとの教室での自己紹介。学校になれたころには、友達のないしょのなやみを聞いて、ママに話せずに胸を重たくする日もあります。ほかにも、家族でお花見にでかけたり、クラスでいちばんに誕生日をお祝いしてもらったり……すみれちゃんのドキドキとワクワクがつまった毎日が、いきいきと描かれます。
 

 もちろん、妹のかりんちゃんの存在も欠かせません。すみれちゃんにかまってほしくて邪魔をしたり、ママをひとりじめしたりするかりんちゃんに、ときにはおこってしまうすみれちゃんですが、学校で年上のお兄さんお姉さんをみて、家ではわたしがお姉さん、と、またひとつお姉さんらしくなります。

 シリーズはこのあと、3作目『すみれちゃんのあついなつ』4作目『すみれちゃんのすてきなプレゼント』とつづきます。

光村図書出版の国語の教科書にも掲載されています!

 このシリーズを元にした「わたしはおねえさん」というお話が、光村図書出版の国語の教科書(2年生・下巻)に掲載されています。かりんちゃんにいたずらをされ、ついカッとなってしまうすみれちゃんでしたが、純粋な妹のすがたをみて、気持ちに変化がうまれ……。
 弟・妹がいる子にはもちろん、新入生をむかえてお兄さん・お姉さんになる2年生の子たちにぴったりなお話です。
 
 誰もが通る子どもの日々が、その時々の気持ちとともに丁寧に描かれる「すみれちゃんクロニクル」。ぜひすみれちゃんの成長をのぞいてみてくださいね。

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今日の1さつ

とつぜん魔女が現れていろいろな話を聞かせてくれるということが不思議で一気に読んでしまいました。岡田さんの本は他の本も場所が学校のものが多くていろいろ想像しながら読めるので何度も読みました。(11歳)

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