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絵本&読み物案内

国語の教科書にも登場! 新年度によみたい『すみれちゃんは一年生』と「すみれちゃん」シリーズ

2019.04.01

4月。幼稚園・保育園、学校、会社など、新たなスタートをきる人も多いころですね。

きょうご紹介する「すみれちゃんクロニクル」シリーズ(石井睦美 作/黒井 健 絵)は、幼稚園に通う女の子、すみれちゃんの成長を描いたシリーズ。なかでも、小学校に入学して環境がかわる『すみれちゃんは一年生』は、今の季節にぴったりのお話です。

おしゃまでおしゃれなすみれちゃん。妹が生まれて心境に変化が? 1作目『すみれちゃん』

 1作目のすみれちゃんは、幼稚園に通っています。まだ小さいけれど、おしゃまなすみれちゃんには悩みがいっぱい! 大好きな歌にのせて、あれこれ悩みを披露します。
 「すみれ」という名前が気に入らず、「♬あたしはこんなにおしゃれなこなのに、名前はちっともおしゃれじゃない♬」と歌うすみれちゃん。実はすみれちゃんの憧れている名前は、もっとおしゃれな「フローレンス」なのです!

 そんなすみれちゃんに、パパとママは、春に生まれたすみれちゃんが花の精みたいだったこと、植物図鑑ですみれの花をみつけて、ぴったりの名前だと思ったことを話してくれます。それを聞いて、すみれちゃんは、ちょっと自分の名前が好きになります。

 毎日たのしく過ごしているすみれちゃん一家に、ある日、赤ちゃんが生まれます。幼稚園の友達に、弟や妹がいる苦労を聞かされて、すみれちゃんは不安もかかえていましたが、生まれてきた赤ちゃんはとってもかわいくていい香りがする、すてきな妹でした。
 
 すみれちゃんとパパで植物図鑑をみて、妹の名前はかりんちゃんに決まりました。でも、妹ができてうれしい反面、たいへんなことも増えたよう。その悩みもすみれちゃんは、得意の歌とおしゃまな言葉でのりこえてゆきます。

すみれちゃんはおもいました。ママは、なんにもしゃべらないかりんちゃんのことは、よおくわかって、なんでもしてあげるのに、あたしがなにかしてっていうと、あとでねとか、じぶんでできるでしょとか、ひどいときには、うるさいわねっていうのよ。(中略)かりんちゃんがうまれてから、あたしはさんざんなの。
 「やれやれ」と、すみれちゃんは、声にだしていってみました。パパのくちぐせです。
 やれやれ、かあ。やれやれ。うん、いいじゃない。と、すみれちゃんはおもいました。それで、ひさしぶりに、うたをうたうことにしました。
 小さなすみれちゃんがお姉さんらしくなる過程が、あたたかくほほえましい1冊です。

今の季節にぴったり! 小学校に入学するすみれちゃん。2作目『すみれちゃんは一年生』

 2作目で、すみれちゃんは1年生になります。
 胸にお花のリボンをつけてのぞむ入学式、そのあとの教室での自己紹介。学校になれたころには、友達のないしょのなやみを聞いて、ママに話せずに胸を重たくする日もあります。ほかにも、家族でお花見にでかけたり、クラスでいちばんに誕生日をお祝いしてもらったり……すみれちゃんのドキドキとワクワクがつまった毎日が、いきいきと描かれます。
 

 もちろん、妹のかりんちゃんの存在も欠かせません。すみれちゃんにかまってほしくて邪魔をしたり、ママをひとりじめしたりするかりんちゃんに、ときにはおこってしまうすみれちゃんですが、学校で年上のお兄さんお姉さんをみて、家ではわたしがお姉さん、と、またひとつお姉さんらしくなります。

 シリーズはこのあと、3作目『すみれちゃんのあついなつ』4作目『すみれちゃんのすてきなプレゼント』とつづきます。

光村図書出版の国語の教科書にも掲載されています!

 このシリーズを元にした「わたしはおねえさん」というお話が、光村図書出版の国語の教科書(2年生・下巻)に掲載されています。かりんちゃんにいたずらをされ、ついカッとなってしまうすみれちゃんでしたが、純粋な妹のすがたをみて、気持ちに変化がうまれ……。
 弟・妹がいる子にはもちろん、新入生をむかえてお兄さん・お姉さんになる2年生の子たちにぴったりなお話です。
 
 誰もが通る子どもの日々が、その時々の気持ちとともに丁寧に描かれる「すみれちゃんクロニクル」。ぜひすみれちゃんの成長をのぞいてみてくださいね。

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