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作家が語る「わたしの新刊」

お腹も心もまんぷくになる奇祭!『やまがみさまのきょだいべんとう』

『やまがみさまのきょだいべんとう』は、20年に1度やってくる「やまがみさま」のために、村中で力をあわせて巨大なお弁当を作る村が舞台。やまがみさまっていったい誰? このお祭りはいったい何のため? 細かく描き込まれた絵も、お話の謎も楽しい絵本です。著者の大串ゆうじさんに、この絵本についてお話を伺いました。


密度の高いお腹も心も大満足の1冊でした。この絵本はどのようなきっかけで企画されたのですか?

デビュー作の『しょうてんがいくん』を出したあとに、僕が食べものを描く事が好きだという事もあり、「次は『お弁当』をテーマにしたものをやってみましょう」と担当の方に言ってもらい、最初は『しょうてんがいくん』的なおもしろさに「お弁当」をどうからませていくか、みたいな内容で考えていました。

ですが、あとちょっとの所でなかなかいい感じにまとまらず壁にぶつかっていました。でもその時期は「お弁当」に関するアイデアやネタは頭の中とメモ帳にいっぱいありました。その中のひとつに『やまがみさまのきょだいべんとう』のアイデアもあり、それは一番お気に入りのものだったんです。その内容を打ち合わせの時に話してみたところ「おもしろそうですね! それもうちょっとつめてみましょう!」と言ってもらい、スタートした感じです。

構成にまよっていたときに話し合うために作っていたサムネイル表

最初に色々悩んでいた時期が、おもしろいアイディアがポンっと出てくるためには結果的には良かったのかな~と思っています。

お弁当の一つ一つの具材がとても美味しそうでした。大串さんもお料理はお好きな方ですか?

食べること自体はもともと大好きで、昔ながらの定食屋さん、洋食屋さん、大衆酒場に行くことや、もちろん、お弁当もワクワクして大好きです。

料理は以前はやらなかったのですが、この1年くらいで家で僕が料理を担当する機会がふえて、新しい発見もあるし、好きなツマミも作れるしでとても好きになりました。もっと勉強していろいろ作れるようになりたいです。

「パンコふりかけき」「シャモジカー」など、こまかいメカもおもしろかったです! ご自宅にもこういうおもちゃがいろいろお持ちなのではないでしょうか?

ネーミングもふくめて、こういう変わったメカを考えるのがとても好きです。実際に家にもこういう玩具があったらおもしろそうですね。

息子(4歳)が工作が大好きで、ダンボールなどで色々な発明グッズ(?)を作っています。それらが刺激になり僕もおもしろグッズを作ってみたいな~と思うこともあります。

人人人でうめつくされた画面ですが、いったい何人くらいいるのでしょうか? お気に入りの人物はいますか? 

全ページ合計で何人描いたのかわからないのですが、最初に出てくる群衆の見開きのページ(お弁当を村のみんなで作っているページです)には565人登場しているそうです。実家の父(77歳)にお願いして数えてもらいました(笑)。

なんと565人います!

お気に入りの人物はいっぱいいるのですが、マジシャンの「イリュー・ジョン」さん、考古学者の「やよいじゅんいち」さんが特にお気に入りです。

大串さんお気に入りのふたり。絵本のどこにいるか探してみてください!

「やまがみさま」という立派な名前から想像する姿と、山神というより山男のような姿のギャップがおもしろいですね。

ありがとうございます。最初の打ち合わせの段階から担当の方とは「やまがみさま」のイメージは山男風な感じで一致していたと思います。お弁当をむしゃむしゃおいしそうに食べてくれる心優しい山男のイメージです。モコモコのヒゲを描くのが楽しかったです(笑)。

ラストのまったく想像できないオチは最初から決まっていましたか? 参考にしたお祭りがあるのでしょうか?

大勢の村人で巨大なお弁当を作っている絵が最初に浮かびました。お米を運ぶ子どもたちや、大きな食材はピラミッドを造る作業のように、みんなで協力して…みたいな感じです。お弁当を食べる巨大な人もガリバー旅行記のような迫力とおもしろさが表現できるし、大変そうだけど、ちゃんと描ききれば絶対おもしろい絵になると思っていました。

ですが、最後のオチはぜんぜん思いつかず、「絵的にはおもしろくなりそうなんだけどな~」とアイデアだけを頭の片すみにストックしていました。そんなある日、家の近所を散歩中に、頭の中で急にポンっ!と最後のオチのアイディアが浮かんできて、「これならいけそう!」と思いました。

参考にしたお祭りとかはないんですが、日本だけでなく、世界の奇祭みたいなものには以前から興味がありました。

『しょうてんがいくん』でデビューされてから、絵本を何冊か出版されていますが、絵本作家としてのお仕事はいかがですか?

アイディアがうかんでから、絵本としておもしろくなるように構成をまとめ、そこからさらに絵を描く作業もあり、形になるまでが長くて大変ですが、自分の頭の中の世界にドップリと没入できる幸せと、それがゆっくりゆっくり形になっていく工程がたまらなく楽しいです。これからも絵本を作っていきたいです!

ありがとうございました!


大串ゆうじ
1976年生まれ。茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。卒業後は個展などで作品を発表をしながら雑誌、テレビ、広告、などのイラストレーションで活動。おもな受賞に、グラフィックアートひとつぼ展入選(1999年、2002年、2005年)、ターナーアクリルアワード入選(2001年〜2005年)、第29回ザ・チョイス年度賞入賞(2012年)などがある。

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