まだまだ寒い日が続いています。寒いときに食べたいものといえば……お鍋! 基本のお鍋も美味しいですし、おでんやちゃんこ鍋、洋食ならポトフなんかもいいですね。
きょうご紹介する絵本『ワタナベさん』(北村直子 作・絵)は、美味しい鍋料理をなんでも作れるお鍋が主人公のお話です。
「いらっしゃいませ、きょうも さむいですねー。」お店を営むのは、お鍋のワタナベさん
「さむいひ えいぎょう」の札がかかったお店。懐かしい感じがする引き扉をあけると、店内で待っているのが、お鍋のワタナベさんです。
お客さんたちはみんな、自分の家のお鍋を手にワタナベさんに料理を頼みにきます。メニューは炊き込みご飯、カレー、ロールキャベツ、などなど。料理をワタナベさんみずから(つまり、お鍋ひとつで!)作り上げ、お客さんのお鍋に入れてあげます。なんでも作れる料理名人のワタナベさんは、朝から晩までおおいそがしです。
ワタナベさんの元に、むずかしい注文が。ナポリタンをお鍋ひとつで!?
ある夜、ワタナベさんの元にやってきた男の子。その注文は「ナポリタン3人前」でした。ふつうナポリタンといえば、お鍋でスパゲッティの麺をゆでて、ソースをフライパンで作って混ぜ合わせるもの。お鍋ひとつで料理をするワタナベさんには、難しい注文です。
何かいい方法はないものか……。ワタナベさんはうなって考えて……
本の最後には、ワタナベさんのナポリタンレシピがのっていますよ。
ユニークな設定とアイディアに、心ぽかぽか!
この季節にぴったりのお鍋が主役、しかもみずからがお店を営んでいるという、ユニークな設定の『ワタナベさん』。お話はもちろん、懐かしさを感じる店先や料理から立ち上る湯気など、あちこちからあたたかさを感じます。
読んだら鍋料理を食べたくなるかも! ぜひ手にとってみてくださいね。