太陽が照りつける日に外を歩いていると、ちょっとした木陰がまるで天国のように思えるときがありますね。『ちょっといれて』(さとうわきこ 作・絵)は、暑い夏の日に、いい具合の木陰を見つけたおばあさんと、どうぶつたちのゆかいなお話です。
「ちょっといれて」に「いいよ いいよ」と答えつづけていたら……
主人公は、なんでも「いいよ いいよ」と言ってしまう、いいよおばあちゃん。ある暑い夏の日、ちょうどいい木陰を見つけたいいよおばあちゃんは、そこで本を読むことにしました。すると……
「ねえ おばあちゃん、ちょっと いれて」とやってきたのは、暑くてヘトヘトのうさぎです。「ああ、いいよ いいよ」といいよおばあちゃん。
そのあとも、その木陰で休もうと、ねこ、犬、へび、きつね、くまがやってきます。あんなに快適だった木陰は、いまや超満員! 涼むどころか、みんなが身を寄せ合ってなんだか暑そうです。そんな中、「よーいしょ!いれてもらうよ」と、ぞうまでやってきて……。さて、いいよおばあちゃんはどうするでしょう。
さとうわきこさんならではのユーモラスな絵本
作者のさとうわきこさんは「ばばばあちゃん」シリーズ(福音館書店)などで知られる絵本作家。2024年4月には、最後の作品となった絵本『みちくさ』が刊行されました。その生き生きとしたユーモラスなお話と、味わい深い絵が本作でも楽しめます。
さて、ぞうが木陰に入ってきたあと、いいよおばあちゃんはあることをするのですが……。ちょっと意外で、クスッと笑ってしまうオチは、どうぞ絵本でお楽しみください。