「あかちゃんのあそびえほん」シリーズや「あらしのよるに」シリーズで知られる絵本作家、きむらゆういちさんの「きむらゆういち しかけ絵本」シリーズから、今回は『たんじょうびのごちそう』(黒井 健 絵)をご紹介します。
うさぎさんの誕生日パーティーに招かれたのは……?
今日はうさぎさんの誕生日。うさぎさんが家でごちそうをつくっていると、さっそくお客さんがやってきました。
「やあ、うさぎさんちは ここですかあ?」「ええっ! ちょうちょさんは よばなかった はずなのに……。」
窓の外に見えるのは、招待していないはずのちょうちょさん。あれあれ? ページをめくってみると……。
その正体は、大きな花束を胸いっぱいに抱えたパンダくんでした! なあんだ、びっくり。
「おたんじょうび おめでとう。プレゼントは おはなだよ。きれいでしょ。ところで ごちそうは なに?」とパンダくん。
次にやってきたのは、これまた呼んだ覚えのないぞうさん。かと思いきや……。
木でできた大きな人形を抱えた、さるくんでした! ああ、おどろいた。
「おたんじょうび おめでとう。プレゼントは きで つくった にんぎょうだよ。おへやに かざってね。ところで ごちそうは なあに。」
その後もぞくぞくと、お客さんたちが集まってきて、ついにパーティーのはじまりです! どきどき、わくわく。うさぎさんは、どんなごちそうをつくったのでしょうか? みんなが期待して待っていたら……うさぎさんお手製の「特別料理」に、今度はみんながびっくり!
何度もめくりたくなるしかけ! 絵は黒井健さん
ちょうちょさん? と思ったら、パンダくんだったり、ぞうさん? と思ったらさるくんだったりと、窓の形に切り取られた穴からのぞくしかけが楽しい絵本。当てっこ遊びをしても盛り上がります。しかけの絵が、窓の数が増えるにしたがって巧妙になっていくのにも注目です。
また、うさぎさんとお客さんたちのくり返しのかけ合いも軽やかで、読み手と子どもとの会話もはずむこと間違いなし! 『手ぶくろを買いに』『ごんぎつね』の絵本などで知られる絵本作家、黒井健さんの絵が、ストーリーにやわらかく寄り添います。
「きむらゆういち しかけ絵本」シリーズは、本作のほかにも多数刊行されており、さまざまな画家の絵できむらゆういちさんの世界を堪能することができます。ぜひお手にとってみてください。