自分のおうちは、子どもも大人も一番長い時間を過ごす、安心する場所ですよね。そんなおうちの中が、いつもとまったくちがう見え方になったらどうでしょう? 絵本『さかさまたんけんたい』(すずきみほ 作)は、さかさまになっておうちを眺めてみるという、あたらしいおうち遊びがテーマ! 何気ない部屋の中に、ふつうなら見えないいろんなものが見えてきます。
をすると、世界がかわった! きょうの遊びはこれに決まり
幼稚園から帰ってきたふみちゃん。お兄ちゃんが帰ってくるまで、少し時間があるようです。すると、おや? ふみちゃん、なにやらふしぎなかっこうをしています。ブリッジです!
なぜこんなかっこうをしているかというと……、おうちの中をさかさまに見ると、いつもとちがう世界が見えるのです!
きょうの遊びは、これに決まり。ふみちゃんは、おうちの中のいろんな部屋をめぐることにします。「さかさま、さかさまたんけんたい!」
ホースがへびに、植木鉢がくらげに!?
ふみちゃんがまず向かったのは、お庭です。木の陰が落ちるデッキに散らばるのは、ボールやバケツ。植木鉢があったり、プランターがあったり、なんてことのないふつうのお庭です。
でも、絵本ではこの絵、さかさまの向きになっています。そうすると、あらふしぎ! 落ちているボールが目玉になって、生きものが見えてきたり、黄色いバケツがプリンに見えたり、植木鉢がくらげに見えたりするのです。
左上の陰に、目玉と舌がついて……。右上のバケツはお皿にのったおいしいもの? 他にもたくさんのものがかくれています!
こうしてふみちゃんは、台所、おじいちゃんおばあちゃんの部屋、寝る部屋など、おうちの中をめぐって、いろんなものを見つけていきます。
探して遊べる絵本でもある! あたらしい遊びがつまった一冊
先ほどのお庭のページで、ふみちゃんが見つけたいろんなもの。実は絵のページをめくると、絵の中で見つけられるものがピックアップしてあります。
そして、ここにでてくるもの以外を見つけたり、本来の向きで(つまり、絵本をさかさまにして!)もう1回眺めたりと、2倍、3倍の楽しみもあります。
作者のすずきみほさんは、さかさまになった部屋の感覚をつかむため、まず試しに、ふみちゃんのおうちを模型で作り、それから家具の配置や置くものなど、時間をかけて考えぬいたそう! そのおかげで、どの絵も普通の向きで見ると、違和感のない自然な部屋に見えます
読んだあとは、自分のおうちでも試してみたくなるはず。足の間から顔を出したり、寝転がったりするだけでも、ちがった景色が楽しめます。ぜひ「さかさまたんけんたい」、やってみてくださいね!