カオスを見つけ、修繕すべきところがあれば修繕する。それが「カオスの管理エージェント」の仕事です。カオスから出てきた品物は、自分のものにしてもよい! というのが、この仕事のおいしいところです。
カオスを見つけるはずが、「わたし」が出会うのはふしぎな人ばかり
トルコ人からエージェントの仕事を引きうけ、はりきる「わたし」ですが、上空で出会うのはカオスではなく、。これはカオス? と思って近づいた穴から、牛を連れたギリシャ人が出てきたり、雲に乗った毘沙門天が現れたり…。てんでばらばらな人たちですが、そのだれもが日本語をとても自然に話せるという共通点も。これまたふしぎなことです。
雲に乗って現れた毘沙門天
牛を連れたギリシャ人の農民
あまりにふしぎ、まさにカオスなお話に振り回されつつ、「わたし」の軽妙な語り口に、どんどんページをめくってしまいます。
毘沙門天からあずかった仏塔を部屋に置くと、そのまわりに苔がはえ、山ができ、小川が流れ…なんだか大変なことに!?
姉妹編も発売中! 『ギュレギュレ!』でトルコ人との出会いをチェック
この『空で出会ったふしぎな人たち』は、2016年発売の『ギュレギュレ!』の姉妹編です。『ギュレギュレ!』は、「わたし」が奇妙なトルコ人の商人と出会い、彼にさそわれてカオスの管理エージェントになるまでのお話です。
「ギュナイドゥン!(おはよう)」「テシェキュレデリム!(ありがとう)」など、トルコ語をおりまぜながら話すトルコ人は強烈! タイトルの 「ギュレギュレ!」は、「さようなら」という意味なんですよ。
べつべつに読んでも楽しめますが、一緒に読むとおもしろさ倍増です。カバーをはずすと装丁が似ていて、この2冊が姉妹編であることがわかります!
上の赤色が『空で出会ったふしぎな人たち』、下の緑色が『ギュレギュレ!』。
わくわくする作品を数多く手がけている斉藤洋さん。この2作品はその中でもとびきりふしぎです。このカオスな世界に、あなたも足をふみ入れて?