あ、ちょうちょだ! と、虫とり網を持って近づくと……あれっ、ちがった! 「どう見てもちょうちょ」な形の穴からのぞく黄色をたどりページをめくると、意外なものが。春の楽しいしかけ絵本、『きいろいのはちょうちょ』(五味太郎 作・絵)をご紹介します。
ちょうちょをつかまえたいのに、見つかるのはぜんぜんちょうちょじゃない!
虫とり網を持った男の子は、原っぱで黄色いちょうちょを見つけました。
「きいろいのは ちょうちょ…… きいろいのは ちょうちょ……」

このちょうちょとおぼしき黄色い部分が穴あきになっていて、次のページの黄色がのぞいています
ちょうちょをつかまえようと、そっと虫とり網を近づけます。
ところが! ページをめくってみると、それが黄色いお花だったことがわかります。
「あれ ちょうちょ じゃない」

このあとも男の子は、黄色いちょうちょを見つけては、虫とり網を持って近づいていくのですが、ちょうちょだと思ったものは、ボールだったりひよこだったり、風船だったり。あまりにちょうちょが見つからないので、だんだん自信がなくなってきます。
「きいろいのは…… ちょうちょ……」「あれれ ちょうちょじゃ ない」
「ちょうちょ かもしれない…… きいろいのは……」「ありゃりゃりゃ ちょうちょ じゃない」
そして最後には、「きいろいのは もう ぜったいに ちょうちょ じゃない……」と、あきらめてしまうのですが?
単純な穴あきのしかけが、こんなにもユニーク! 五味太郎さんならではの名作しかけ絵本
本作は、ちょうちょの形の小さい穴があいているというとてもシンプルなしかけ絵本ですが、その小さい穴が、次々と意外な展開を見せてくれます。「この穴はちょうちょとは限らない」と気がつくと、次こそはちょうちょかな? 次はいったいなんだろう? と、つぎつぎページをめくってしまいます。物事をさまざまな角度からユニークにとらえる、五味太郎さんならではのしかけです。

「めくった先で、ちょうちょの形の穴が何になっているか」も見どころのひとつ! このページでは、男の人が読んでいる本の表紙(主人公のサングラス)になっています。
同じ五味さんのしかけ絵本シリーズには、デパートで男の子がお父さんを探す『とうさんまいご』、サンタクロースがプレゼントを配る『まどからおくりもの』があります。どれも、わかったあとも何回もページを行き来したくなる、魅力いっぱいの絵本です。ぜひお手にとってみてください。