世界累計1,100万部(25年3月時点)、テレビアニメ、実写映画にもなった人気児童書シリーズ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(廣嶋玲子 作/jyajya 絵)。その20巻のつづきとなる新シリーズ「吉凶通り」がスタートしました! 「銭天堂」のこれまでのストーリーの流れと、新シリーズについてざっくりと、ご紹介していきます。
早わかり! これまでの「銭天堂」のストーリーをおさらい
「いらっしゃいませ、幸運のお客さま。お客さまのおのぞみはなんでござんしょう。」
幸運な人だけがたどりつける、ふしぎな駄菓子屋「銭天堂」。そこにはたくさんの魅惑の駄菓子が並びます。店の女主人、紅子がすすめる駄菓子は、どれもその人にぴったりのものですが、食べ方や使い方をまちがえると、思わぬ副作用が! はたしてその駄菓子は、幸福を呼ぶか? はたまた不幸をまねくか……?
1巻に5〜6話を収録した連作集。「しわとり梅干し」「カリスマボンボン」など、魅力的な駄菓子を手にする客たちが抱える悩みのなかには、きっと読者にも覚えのあるものがあるはず! 話し方も見た目もインパクトがある紅子という強烈なキャラクターと、ときにはダークな運命をむかえることもある駄菓子の買い手それぞれのストーリーから、目が離せません。
*銭天堂の地下では、紅子が客から受け取る硬貨から生まれた金色の招き猫が、駄菓子の開発に勤しんでいます。招き猫たちについてもっと知りたい方には『にゃははな毎日 金色の招き猫たち』がおすすめです。
シーズン1 よどみ登場編(1〜11巻)
3巻からは、銭天堂をライバル視する店、「たたりめ堂」の店主・よどみが登場し、連作集の背後にある大きなストーリーが動きはじめます。
よどみは、7歳ぐらいの外見なのに、しわがれた声の不気味な少女。お客次第で、幸せにも不幸にもなる銭天堂の駄菓子が気に食わず、客の欲望につけこんだ悪意ある駄菓子で、紅子の客を奪おうとします。
やがて、恐怖の遊園地「天獄園」を経営する怪しい男、怪童の手も借りながら、よどみと紅子との駄菓子対決がはじまります。はたして、その結末は?
*本編では脇役ながら、圧倒的な魅力を持つキャラクター、怪童を主人公にした銭天堂番外編『あやし、おそろし、天獄園』も発売中です。
シーズン2 六条教授編(12巻〜20巻)
紅子vsよどみの決着がつき、12巻からは、あらたに紅子をおびやかす存在として、六条教授が登場。とあるきっかけから銭天堂を敵視するようになった六条教授は、自らの研究所で銭天堂についての調査を命じます。
調査に基づき、巧みにつくられた偽の駄菓子をばらまき、銭天堂の評判を落とすなど、よどみとはまた異なる方法で、紅子を窮地に立たせますが……AIも登場する圧巻のラストは必読です。
*『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂にようこそ 公式ガイドブック』は、14巻までの駄菓子図鑑も収録した銭天堂ガイドブック。未読の読者にも愛読者にもおすすめです。
「銭天堂」の運命を大きく変える、一軒の書店が開店! シーズン3「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 吉凶通り」
21巻にあたる巻より、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 吉凶通り」と書名を改め、はじめての読者も、これまでの読者も楽しめる、シーズン3がスタートしました。
現在、銭天堂が構えている場所の近くにある「吉凶通り」にあらたな店「善福書店」が開店します。袴に身を包んだ店主の二ツ頭善二は、その名の通り、善意の人。客の幸せを願って、悩みを解決する「善い本」を売ることに一生懸命です。ところが、ときには善意だけでは救われない客も現れ、善二の頭を悩ませます。
やがて、客を介して、善二と紅子はお互いの存在を知ることに。さらに、善二の双子の兄で、呪詛屋の禍一も登場。弟思いながら、善二とは正反対の性格を持つ彼は、弟を困惑させる銭天堂の存在を疎ましく感じているようで……。
はたして、二つの店の関係はどうなるのでしょう? 善二は、紅子にとって敵となるのか、はたまた味方となるのでしょうか? 「吉凶通りにはこれからもあたらしいお店がオープン予定です」と担当編集者。謎のベールに包まれた「吉凶通り」を舞台にした、銭天堂の今後の展開に期待が高まります。どうぞお楽しみに!
*25年4月上旬に『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 吉凶通り3』が発売します! 衝撃のカバー絵にも注目です。

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 吉凶通り2』カバーイラストの背景