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このバス停で降りる人は、どんな人? 想像がふくらむ絵本『バスがきた』

これまでに400作以上の絵本をつくってきた絵本作家、五味太郎さん。今回は数ある著作の中から、バス停を降りる人々の日常を描いた『バスがきた』(五味太郎 作)をご紹介します。

バス停に降りる人々を淡々と描く

 ここは、海辺のバス停。ボートが停まっているほかは、人気ひとけのないさびしい場所に、絵を描く道具をもった人がひとり、降り立ちました。「バスが きた 絵をかきにきたひとが おりた」。

 次のバス停に、バスがやってきました。小高い丘から海を見下ろせる、すがすがしい一角に、お墓が建っています。「バスが きた お墓まいりのひとが おりた」。

 その後もバスは、さまざまなバス停にやってきます。ビルの建設現場では、ビルを作る人がはりきって降り、オフィスビルが立ち並ぶ街では、なぜかみんな急いで降りました。

 たくさん人が降りることもあれば、ひとりも降りないこともあります。そして最後には、1日の仕事を終えた運転手さんが降りるのでした。

シンプルな言葉で、読者の想像がふくらむ

 人を乗せて運ぶバスと、バス停で降りる人々を描く、繰り返しが楽しい絵本。

 言葉がとてもシンプルで、 「この人はどこへ向かうのだろう」「なぜみんな急いでいるのだろう」「この人は、あの人を迎えにきたのかな」など、いろいろなことを想像する余白があり、読者はそれぞれの物語を作って楽しめます。

 淡々と描かれた日常をながめながら、ほっと安心できる絵本です。

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今日の1さつ

子どもの心にかえって、わくわく&しんみりしながら、1つ1つのお話を読みました。素朴だけれど深みがあって、何度も読み返したのです。私も杉先生のように、身の周りの小さなものや人を大切にできるようになりたいです。表紙も渋くて最高です。ありがとう!(32歳)

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