「もりはおもしろランド」シリーズ(舟崎靖子 作/舟崎克彦、奈良坂智子 絵)は、森の動物たちが開くお店やさんを舞台にした幼年童話です。毎回ちがうお店の動物が主人公となり、お店で巻き起こるゆかいなできごとが描かれます。
お誕生日につくってくれる「あなたの かたちの ケーキ」が人気! 「もりのおかしやさん」
表紙をめくると、森の地図があらわれます。いたちのおかしや、たぬきのおもちゃや、いのししのぎんこう……など、お店がたくさん並びます。この森の中のできごとが、1冊ずつお話になっているのですが、今回はシリーズ2作目『もりのおかしやさん』のお話を少しご紹介しましょう。
いたちさんは、森の楓の木の下で、ちいさなお菓子屋さんを開いています。お店には、焼きたてパンや、つくりたてのおいしそうなお菓子が並びますが、一番の人気商品は「あなたのかたちのケーキ」。森の仲間たちは、自分の誕生日が近くなると、いたちさんのお店にやってきて、自分のかたちのケーキを注文するのです。
まずやってきたのはかえるさん。いたちさんは、ケーキを作っているときにかえるさんの姿を思い出せるように、その場でかえるさんのかたちを描きとめておきました。
お誕生日当日、できあがったのは、ハッカがたっぷり入ったみどり色のケーキ! お店の前にかざられたケーキを見た森の仲間たちは、かえるさんのもとにお祝いにかけつけました。
ほかにも、光に当たると虹色にかがやくとかげさんのケーキ、ふわふわと風にゆれるうさぎさんのケーキ、とげの1本1本をチョコレートでつくったはりねずみさんのケーキなど、いたちさんは毎回工夫をこらして、森のみんなのお誕生日ケーキづくりにはげみます。
差出人不明の手紙には、ケーキの注文が。いったい、どんなかたちのケーキをつくればいいのでしょう?
ある日のこと。こんな手紙が届きました。
「こんな かたちの ケーキを つくって ください。おおきな ながしかく ひとつ。ちいさな ながしかく いつつ。おおきな まる ひとつ。……みっか たったら とりにいきます。さようなら」
いたちさんは、誰のかたちのケーキをつくったらいいかわからず、頭を悩ませます。約束の3日後までに、いたちさんはケーキを完成させることができるのでしょうか? そして、これはいったい、誰のかたちのケーキだったのでしょうか?
毎回巻き起こる、小さな事件と謎ときが楽しい
毎回、主人公のお店に小さな事件が巻き起こるのが、本シリーズのみどころのひとつです。たとえば、やまあらしのレストランが、なぞなぞのような地図をたよりにカレーの配達をしたり、ねずみの歯医者さんの入れ歯がなくなって行方を探したり……。
全ページにかわいいカラーの挿絵が描かれているので、はじめて自分で読む本としてもおすすめです! 皆さんも動物たちと一緒に悩みながら、ぜひ謎を解決してみてください。