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絵本&読み物案内

バーバパパはここからはじまった! 土の中から生まれたやさしいおばけ、誕生の1冊。

2019.07.01

日本も大人気フランス生まれのキャラクター「バーバパパ」。いまでは絵本のみならず、多くのグッズにもなっていますが、はじめてバーバパパが登場する第1作目が、この『おばけのバーバパパ』(アネット・チゾン&タラス・テイラー 作やましたはるお 訳)という絵本です。ちょっと変わったおばけ、バーバパパがみんなの人気者になるまでをあたたかく描きます。

バーバパパは、庭で生まれたんです!

 お話は、バーバパパが生まれる場面からはじまります。

バーバパパはね、にわで うまれたんです。
そのひ、フランソワは、はなに みずを やっていました。

 この最初の見開きの絵と文章! このページをみたらすぐに、多くの子どもたちは心をつかまれてしまうことでしょう。土の中の種から芽が出てくるように、家の庭からふしぎなおばけが生まれてくるのです。フランソワが毎日水をやっていたからなのか、バーバパパ自身の力で生まれたのか……とにかく、バーバパパは突然、フランソワのもとにやってきました。そして、もちろん、ふたりはすぐになかよしになりました。

 でも、おかあさんは

「バーバパパは、おおきすぎるから うちへ おいとくわけには いかないわ。」

といい……フランソワとバーバパパは涙の別れ。バーバパパは動物園へいくことになりました。

怒られたり、ひとりぼっちになったり……でも、最後は人気者に!

 動物園にいったバーバパパは、そこで、自分の体の形をかえられることに気がつきました。友だちをつくりたくて、フラミンゴのまねをしたり、ラクダになってみたり、自由自在です! 

 ところが、おりを出てしまったバーバパパに、園長先生はかんかん! とうとう動物園からも追い出されてしまいます。バーバパパはただ友だちがほしかっただけなのですが……。

 町にほっぽりだされてしまったバーバパパ。多くの建物がひしめき、車が行き交う夜の町で、お金もなく、友だちもなく、ひとりぼっちです。バーバパパは、悲しくて悲しくて泣きはじめてしまいます。

 けれども、そのあと、「形をかえられる」というバーバパパの得意技が、いろんな事件を解決することに。それをきっかけに、町の人たちに受け入れられたバーバパパは、たちまちみんなの人気者になるのです!

2世代で楽しむ読者も! レビューをご紹介します。

 いつも多くの愛読者はがきをいただく『おばけのバーバパパ』。一部をご紹介したいと思います。

バーバパパが庭で生まれたことを初めて知りました。バーバパパの表情がよく描かれていて、娘も「バーバパパ、にっこり」「泣いてるね、かわいそう」などと言っています。みんなに愛されるバーバパパを見て、こちらもとてもほっこりできる内容でした。(3歳・お母さまより)

子どもの頃大好きな本でした。色々な形に変身できて、みんなに優しくて、さみしがりやで……。息子に読んだところ、息子も大好きで、いつも寝る前に読んでほしいと持ってきます。(4歳・お母さまより)

私が子どもの頃、大好きだった本バーバパパ。庭の土中に育ち、丸いお尻を1/3程度土の中に入れたままフランソワにあいさつをするバーバパパ。この2ページの土の中の曲線と、パパの丸み。懐かしくて。子どもに読む日がくるなんて、不思議な感じです。ありがとうございます。(7歳・お父さまより)

 誕生から45年以上。このように2世代にわたり楽しんでいるという声も多くいただいています。

 「形を変えられる」という不思議な存在の誕生、バーバパパのやさしい性格、最後は町の人たちにあたたかく受け入れられるというストーリー。本を開いてみると、長い間多くの子どもたちを魅了してきた「バーバパパ」の人気のひみつがきっとわかるはずです。

 バーバパパにはいくつかのシリーズがありますが、ぜひまずは第1作目を、お手にとってみてくださいね。

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