料理に苦手意識がある人、いませんか? そんなあなたをたすける本、それが「料理しなんしょ(指南書)」! 今週のおすすめ『料理しなんしょ 〜コッペとオサジのおいしい12か月〜』(まるもとただゆき 作/こがしわかおり 絵)は、ひとりでお留守番中のコッペが、指南役のイモリとヤモリから、月ごとに料理のこつを教えてもらう本。「レシピ」というとかまえてしまう人も、「ざっくり」料理ができるようになっちゃいます!
作者と編集者の留守番の思い出
実はこの本、作者のこがしわさんと編集者の、留守番ときの思い出からスタートしたのだそうです。
「ひとりで留守番をしていた子どもの頃、このまま誰も帰ってこなかったら、どうしよう、と想像して、怖くなったことがあります。きっとこのまま、おなかがへってそんなときに、たとえば自分でお茶がいれられたら、たまごがゆでられたら、あるいは実際には、なんとなくやりかただけでも知っていたら心強いかも!」
本書の主人公コッペも、最初は「料理なんてとんでもない」と思っていましたが、イモリとヤモリのコンビが登場! コッペはこのふたり(2匹?)に料理の基本を教えてもらい、相棒のねこオサジとともに、すこしずつできることを広げていきます。
料理は“だいたい”でいい! かんたんでおいしいもの12ヶ月
いったいどんな料理ができるようになるの? 12ヶ月のレシピをみてみましょう。
1月 お茶をいれる
2月 タマゴをゆでる、温泉卵
3月 キャベツをつかった3つの簡単料理
4月 イチゴジャム
5月 ごはんをたく・おにぎり
6月 だしをとる・お味噌汁
7月 マッシュポテト
8月 ラタトゥイユ
9月 ポークチョップ
10月 フレンチトースト
11月 うどん
12月 チョコムース
月ごとにさまざまな基本のきを教えてくれて、かんたんで、おいしいものをつくっていきます。でもこの本、「大さじ○杯」とか、分量はほとんど書いていないのです。そのかわりに、指南役のふたりがたびたび口にするのが「だいたいでいい」「ざっくりでいい」「だいじょうぶ」という言葉。
たとえば3月のキャベツでつけものをつくるところはこんな感じ。
「しおをいれすぎちゃったみたい。しおからい!」とコッペ。
「だいじょうぶ。そんなときは、かるく水あらいして、しぼればOK」とイモリ。
あるいは、4月のイチゴジャムはこうです。
イチゴのおもさをはかる。さとうのりょうはイチゴのおもさのはんぶんくらい。だいたいでいい。「料理はざっくりでいいんだ。」
「だいたい」でいいけど、おさえておきたいコツはきちんと書いてあるので、料理へのハードルを低くしながら、自然と料理の感覚を身につけられます。ん大事なのですよね!
、かわいらしいイラストもうれしい一冊