人間と同じ「霊長類」に分類されるサルは、いわばわたしたちの「いとこ」。今、地球には、約260種ものサルがいるといいます。一体どんなサルがいるの? サルって一体なにもの? そんななぞを徹底的に紹介するのが、イギリス発の翻訳絵本『サルってさいこう!』です。
はじめは「サルってどんな生きもの?」という基本から紹介しています。多くの人が、人はサルから進化したと思っています。でも、実はそうではないんです! 人間とサルの関係性とは…? 意外と知らなかった事実がわかります。
とにかくサルはいっぱいいる
基本をおさえたあとは、なサルたちを取り上げます。
たと、
「いっとうしょうはだれだ?」・・・声の大きさ、しっぽの長さなど、いろいろな「いっとうしょう」のサルを紹介!
「なんてすてきにへんてこりん」・・・“どう見てもへんてこりん”な、不思議なすがたのサルを紹介!
「このかしこさ、なみじゃない」・・・かしこいと言われるサルの中でも、特別かしこいサルを紹介!
などなど。驚きのエピソードもたくさん登場します!
ロンドン動物園でお客さんたちからサングラスをかすめとっていたというボリビアリスザル。なんと、サングラスに映るじぶんたちの姿を楽しんでいたのだとか!
大きさくらべのページで紹介されている世界一小さいサル、ピグミーマーモセットと、世界一大きいサル、マンドリルは、それぞれ原寸大で描かれています。(マンドリルは大きすぎるので顔だけですが!)
左がピグミーマーモセット、右がマンドリル。こんなに大きさがちがいますが、どちらも原寸大なのです!
このように、それぞれのサルについて詳しく解説してあるので、名前だけでなくそのくらし方や行動のひみつまでわかり、理解が深まります。
しっかり学べて、環境にも配慮した一冊
この本を日本語に訳した訳者の越智典子さんは、科学絵本の翻訳といえばこの人! という方。また、監修さんは、京都大学大学院の教授。サルのなかでも、パタスモンキーやニホンザルなどの研究をされてきました。中川先生いわく、この本に描かれているサルたちは、とてもよく特徴をとらえて、正確かつ明快に描かれているとのこと。眺めるだけでも楽しいおしゃれなイラストですが、それぞれのサルのことをしっかり理解できるのは嬉しいですよね。
またこの本は、FSC(森林管理協議会)が認証した「持続可能な森」(将来に影響がないよう配慮しながら木を利用している森)からつくった紙でできています。本では多くのサルたちのすみかである森が人間によって切りはらわれ、絶滅の危機にあるサルもいることを紹介しながら、こうした環境問題についてもふれています。
言いたくなるかもしれません!