10月が近づくと、街はハロウィンのかざりでにぎやかになります。保育園でも、ハロウィンは欠かせない行事となりつつあります。わたしが就職した45年前にはハロウィンという言葉さえ知らなかったのですが、日本でもメジャーになって久しい行事です。
ハロウィンが知られてきた頃、日本ではお菓子を売るための商業的な意味合いが強く、それにのっかるのはどうなの?と思っていたけれど、ハロウィンに登場するおばけや幽霊、魔女って不思議で怖くて、魅力的。子どもたちと一緒に楽しもうと今は思っています。
保育園では、顔にペイント(フェイスペイント用のペンを用意します)したり、ポリ袋におばけの絵を描いてそれぞれが工夫したおばけになってみたり、お菓子をもらいにいく袋を作ったり。
わたしが勤める保育園では、近くの町の集会所にお菓子をもらいに行きます。そうすると、地域の方たちがおばけに変装して、待っていてくれます。地域の人たちのやさしさに触れるのも、とてもいい時間。
「トリック オア トリート! お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ」って子どもたちに言われてお菓子をわたす時間を楽しみにするおとながいるのも、悪くない気がします。
「夏のおばけの絵本」とはちょっと違って、「ハロウィンのおばけの絵本」は、おばけたちの生活をのぞくような絵本が多いように思います。魔女が登場する絵本が多いのも、わたしの気に入っているところ。保育園で魔女になりきって子どもたちの前に登場し、簡単なマジックを披露したことがあります。「魔女なら空を飛んでみて」とほうきをもってきた子がいて、わたしがほうきにまたがって「おかしいなあ、飛べないなあ」と言ったら、「飛べないじゃん!」と子どももおとなもみんなで大笑いになりました。
おうちでは子どもといっしょに、ハロウィンをどんな風に過ごしますか? 絵本の中では、おばけや幽霊、フランケンシュタイン、吸血鬼がユニークに描かれています。そんな絵本のページをめくりながら、子どもたちと楽しく過ごす時間もいいのでは?と思います。
おうちでハロウィンを楽しむならやっぱり絵本!
『おばけやしきへようこそ!』(キッキ・ストリード 作、エヴァ・エリクソン 絵、オスターグレン晴子 訳、偕成社)
おばけを怖いと思わない女の子のお話。森の奥深くにおばけやしきがあります。人間に会わずに過ごしている怪物や幽霊や魔法使いがいるところに、たったひとりで女の子がやってきます。魔女たちは、怖がらない女の子にヘビやクモを入れたスープを食べさせようとしますが、女の子は「けっこうです。わたし、これがきにいるとは おもえないの。」ときっぱりお断り。女の子は子どもたちにとってはかっこいい存在で、最後にはお母さんとお父さんのところへ無事にもどっていきます。おばけや怪物たちの表情も豊かに描かれていて、何度でも見たくなりますよ。