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作家が語る「わたしの新刊」

「“梅しごと”はまったくはじめて」な人こそ読んでほしい『はじめての梅しごと 梅シロップをつくろう』髙野紀子さんインタビュー

“梅しごと”とは、梅の実でさまざまな食べ物、飲み物をつくる手仕事の総称。「やってみたいけど、実際にやったことはない」という方も多いのではないでしょうか。
髙野紀子さんが文と絵を手がけた『はじめての梅しごと  梅シロップをつくろう』は、そんな方にこそぜひ読んでほしい1冊。「手順はできるだけシンプルに、そして失敗なく仕上げられるように」考え抜かれてつくられた本作について、髙野さんにたっぷりとお話をうかがいました。

これまで行事やマナーにまつわる絵本を手がけられていますが、今回「梅しごと」をテーマにしたきっかけは何でしょうか。

編集者さんから「梅シロップ作りを絵本にしたらどうだろう」というお話をいただいたとき本当に驚きました。わたしが梅シロップを作っていることをご存じないはずなのに……と。

編集者さんも長いこと梅シロップ作りを続けてきたと知って、その楽しさについて話がはずみ、ぜひ、子どもたちにも、梅シロップが仕上がっていくときのワクワク感を体験してほしい! と思い、絵本作りがスタートしました。
 
本作では、ハチさんたちが丁寧なワンポイントアドバイスをしてくれています。こういった細やかな目線は、髙野さんご自身の梅しごとのご経験が生かされているのでしょうか。
 
何年も自己流で作ってきていて、その間に起きたことをふりかえるうちに、読者に伝えたいことがどんどん増えてきました。
「こんなべつのやり方があるよ」「こんな時はこうしても、ああしても……」「発酵とはね……」など、あれもこれもと詰めこみすぎて、かえってわかりにくくなってしまいそうに……。
それでは梅シロップ作りは「難しそう、めんどうそう」と思われてしまいます。詰めこみたがりを反省しました。

そこで、これだけはお伝えしないと、という点にしぼって、ハチコ(と、呼んでます。かわいい呼び名でしょ?)に言わせることにしました。

子どもが大人と一緒につくれるように、絵本の中で気をつけたポイントをお教えください。

子どもたちだけでなく、一緒に作るご家族など大人の皆さんも「梅しごとはまったく初めて」、と仮定して進めました。

手順はできるだけシンプルに、そして失敗なく仕上げられるように表現したつもりです。
台所仕事は苦手というかたでも、子どもたちと一緒に実験をするような気持ちで作っていただけたら、子どもと同じ目線で楽しい時間をすごせると思います。
観察絵日記をつけるのもおすすめです。どんどん変化していく様子を観察するのが楽しいんです!
 
梅シロップのいろいろなアレンジレシピも紹介されていますが、髙野さんがお気に入りの一品はどれですか?
 
リンゴのシロップ煮を作ることが多いです。
リンゴはお砂糖で煮るだけでもおいしいですが、梅シロップで煮ると、少し甘さや香りが足りなかったり時間が経ってしまったリンゴでも、味わいが深くなるように感じます。
カリカリのトーストにのせてシナモンパウダーをふればアップルパイみたい! いちばん好きな食べかたです。
 
とっても美味しそうですね。今年こそは梅シロップづくりにチャレンジしてみたくなりました。髙野さん、どうもありがとうございました!
 

髙野紀子
1954年東京都生まれ。著作に『和の行事えほん』、『着物のえほん』、『テーブルマナーの絵本』、『数え方のえほん』、『日本語オノマトペのえほん』、『やまからのてがみ』など「みのりのえほん」シリーズなど多数。現在都内で絵画教室を主宰。

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