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作家が語る「わたしの新刊」

腹話術人形になった経験から描いた!?『ぼくはケンちゃん』

腹話術のお人形・ケンちゃんと演者のゴネットさんは、陽気で楽しいふたり組。どこへ行ってもショーは大人気です! ところが、そんな一心同体のふたりに、あるときスーパーピンチがおとずれます……! 

読みきかせにぴったりのお話絵本を描いたのは、『おおいなるだいずいちぞく』で大豆をめぐるゆかいな一代記(?)を描いたはしもとえつよさん。この絵本についての思いを伺いました。


ちょっとめずらしい腹話術の人形がでてくる絵本ですが、アイデアはどこから生まれましたか?

アイデア…といってよいのかわかりませんが…

何年か前、朝起きたら 顔に落書きをされていました。油性のマジックでまぶたの上に目を、口元にはマリオネットラインが。(良い子のみんなはまねしないでね。せめて水性で。)そのおかげで、私はその日腹話術の人形のようにふるまう羽目になったのです。「えっちゃん、えっちゃん」と

よばれて「はーい」と、返事をしただけで子どもたちには大ウケでした。

お人形やぬいぐるみは子どもたちのお友だち。いつかそんなお友だちの楽しい物語をかきたいなあと思っていました。私の中では、自分が腹話術の人形になった経験からも(笑)ふつうのお人形やぬいぐるみより、お友だちに近いお人形が腹話術の人形だったのだと思います。

はしもとさんにも、腹話術劇をみたことがありますか? 思い出のエピソードがあったら教えてください!

最近は昨日食べたものも忘れてしまうのに、小さいころにみた腹話術劇は鮮明に覚えています!

私が通っていた幼稚園に、おまわりさんと腹話術の人形が交通ルールのお話をするためにやってきました。講堂に園児が全員あつまって見ました。生まれてはじめて腹話術劇を見た私は、人形が人間のように話して動くなんてどうなっているんだ!と不思議でしかたありませんでした。

すっとんきょうなおしゃべりや動きがたまらなくおもしろくて、息ができないくらい笑ったことを覚えています。

その時の人形の名前もケンちゃんでした。

絵本のラフ(右にいる悪そうな3人組がワルソーいちぞく)

一途なゴネットさん、陽気なケンちゃん、にんぎょうを盗んで大儲けをしようというちょっと変わった考えのワルソーいちぞく、みんな愛すべきキャラクターですね。

はい! 愛すべきキャラクターたちができて楽しくて、ニマニマと笑いながら描きました。 

町一番の悪党!ワルソーいちぞく…そのわりには まぬけな感じが…。3人には、実は名前があるんです。「ワルソー」「ダマソー」「ウッソー」です。3人もゴネットさんとケンちゃんの絆におどろいたことだと思います。

お腹のそこから笑えたり、ふたりの友情に心がほっこりしたり、ピンチがあったり……強弱がしっかりあって、読み聞かせでもとっても盛り上がりそうな絵本だなと思いました。

わあ、ありがとうございます! 読み聞かせでは、ぜひとも羞恥心を捨てていただき、ケンちゃんになりきって「こんこん にちにち わくわくバア!」とあいさつをしてもらえたらうれしいです。

読んでいただいた数だけ、それぞれの個性的なケンちゃんが生まれていくのが楽しみです。 

ゴネットさんにとってのケンちゃんのように、はしもとさんにも相棒がいますか?

いまの私の相棒はネコのベリーちゃんでしょうか(息子が拾ってきて、世話は私)。呼べば返事をしてくれて、私が足を強打すれば一番にかけよりなめてくれて、寒い時はゆたんぽがわりに。怖がりの私がベリーちゃんのおかげで夜のトイレも平気になりました。

会話はできないけど、そばにいてくれる安心感を感じます。そもそも犬派だった私が不思議なものです。  

これからどんな絵本を描いていきたいですか?

私が小さいころ、絵本を読んでもらっていると、その物語の中にひきこまれて絵本のなかの絵が動き出しました。自分が主人公になって、楽しい登場人物たちに出会い、いろんなできごとを経験して、最後はやっぱりうれしい結末!読み終わって、さいごのページを閉じたとき、われにかえって「ぷふぁ~!おもしろかった。ねえ!もう一回!」といつも思っていました。
子どもたちがそんな気持ちになる絵本を、これからも描いていきたいです。


はしもとえつよ

北九州生まれ。独学で絵を描く。「おにたくん やまのぼりだよ」で小学館第14回おひさま大賞絵本部門最優秀賞受賞。絵本の作品に『おにたくんの おにぎり』『めんたいこ どりーむ』、さし絵の作品に『三島由宇、当選確実!』『となりの猫又ジュリ』などがある

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