夏は虫とりの季節ですね。虫を見つけるコツは、自分の五感をつかうこと! 『なんだ これは』(横山寛多 作)では、「なんだ あれは?」「なんだ この音は?」と、キョロキョロまわりを見たり、音を聞いたり、匂いをかいだりしながら虫を見つけていきます。
虫とりにでかけよう! 山の雑木林には、虫がいっぱい。
夏になる直前のころ、山にはいろんな虫がいます。出かけていくと、さっそく、葉っぱの向こうに何かがいるのを見つけました!
「なんだ これは?」
葉っぱの裏を見ると……、そこにいたのは、ゾウムシでした! 口が長く、見た目がゾウのような虫です。つづいて耳に聞こえてきたのは、ブーンという大きな音。「なんだ この 音は!」
音のした方へ行ってみる、カナブンが飛んできた音だとわかりました。カナブンは、飛ぶのがうまい虫なのです。
ほかにも、きらりと光る何かを追いかけて虫をつかまえたり、ふしぎなにおいをたどって虫が集まっている場所を見つけたりと、自分の身体の感覚を使いながら、虫を見つけていきます。
本にでてくる虫・生きものが巻末でわかる! どれも作者が実際に出会った虫
本作では、お話パートのあとの「この本にでてくる生きもの図鑑」で、7ページに渡って本に登場した虫や生きものが紹介されています。どの場面にどの虫がでてきていたか、もう一度ページをめくることで、絵本の中でも虫探しを楽しむことができます。
登場する虫はどれも、本作の作者でが実際に出会った虫です。横山さんが住む神奈川県の海沿いの町の雑木林などで、4〜8月に見つけたものです。あとがきで横山さんは、「もちろん、1日でぜんぶの虫に会えたわけではありませんし、いちど出会ってから何年も会えてない虫や、この本にのせられなかった虫もいます。いつ、どこで、どんな虫に会えるかわからないのも、虫とりのたのしみです。」と書いています。
また、本の両見返し(表紙・裏表紙をめくったところ)には、もちもの、服装、虫が見つかる意外な場所など、虫とりに役立つ情報がまとめられています。
外に出かけて虫を探してみたくなる一冊です。探す際は、ぜひ五感をつかってみてください!