icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_hatena_01 icon_line_01 icon_pocket_01 icon_arrow_01_r

作家が語る「わたしの新刊」

人気絵本のキャラクターの新シリーズ!「おともだちあそびえほん」きむらゆういちさんインタビュー

大人気のロングセラー絵本『ごあいさつあそび』『いないいないばああそび』などで知られる「あかちゃんのあそびえほん」シリーズが生まれて30周年にあたる今年、おなじみのキャラクターが登場する新シリーズ「おともだちあそびえほん」が4冊同時発売しました。

 この絵本へこめた思いを、作者のきむらゆういちさんにうかがいました。

––––「あかちゃんのあそびえほん」のキャラクターが登場する、また別のかたちの本を、という思いは以前からあったのですか?

 子どもの本というのは作者ではなくて、キャラクターで子どもたちは覚えているものですよね。講演会などへいくと、「子どもがこのキャラクターが好きなので、年齢があがってもずっと読んでいます。もうちょっと大きい子向けの絵本はありませんか」と言われることが多かったんです。でも、同じシリーズだと、また「あかちゃんえほん」の続編になってしまうから、「あかちゃんのあそびえほん」のキャラクターでつくるのはどうかなという思いは常にありました。
 それと、子どもによって、好きなキャラクターというのがあるので、ピイちゃん、ミケ、コロ、かいじゅうさんとひとり1冊で出すことにしたんです。

 

絵本塾も開かれているきむら先生の事務所でお話をうかがいました

––––読者の方の声がきっかけだったのですね。「あかちゃんのあそびえほん」はご自身の子育てから得たアイデアということですが、「おともだちあそびえほん」のあそびの内容もやはり子育てのご経験が反映されているのでしょうか?

 いま19歳になる長男が、小さな頃、電車や車が好きでね。特に車が好きなので、駐車場にいって遊んだりしていたんですけど、車止めのブロックのうえを、落ちずにわたるという遊びが好きだったんです。右と左にあるので、そこを渡って、次の車止めまでは手をつないで、ぱぱっといって、また右左と渡って、と。
 そんなふうに、長男と毎日のように散歩にいっていて、こういうことが絵本でできないかなというのが頭にありました。

『ゆらゆらミケちゃん』では、ミケちゃんが石や丸太、ロープをわたっていくあそびをします

––––日常のあそびが、絵本のアイデアへとつながっているのですね。

 もうひとつ、長女が保育園へいくときは、車で送り迎えをしていたんだけど、途中にダイエーがあって。そこにおもちゃ売り場があったので、ダイエーに行こう!っていつもいわれたんですよ。でも、毎日ダイエーには行けないから、「きょう休みなんだよ」という。そうすると「明日は?」ときくから、「明日も休みなんだよ」と。「明後日は?」「明後日も休みなんだよ」「その次は?」そこで、「やってるよ!」というと、すごくよろこぶんです。
 この「ニュアンス」に子どもは一番反応するんですよね。これは、人間の本質的なもので、お笑いもそうだけど、緊張と緩和で、人は笑うわけです。そう考えると「いないいないばあ」もニュアンス。顔を隠すと一瞬緊張し、ばあとやると笑います。難しい理屈やストーリーではなくて、ニュアンスをうまくとらえることが人間の本質につながるのではないかなと思っています。今回のシリーズでは、特に『とっとっとピイちゃん』がそうですね。

『とっとっとピイちゃん』では、ピイちゃんがとっとっと、と歩いていきますが、ページをめくると……

ころんだり、わらったり、さまざまな表情のピイちゃんが待っています

 育って知識が増え経験が増えると、ストーリーに気をひかれるけど、あかちゃんは、本能的なものの方がまだ強い時期です。日常のちょっとした遊びをテーマにして、それにニュアンスをとりいれるということで、できたシリーズです。

––––ひとりのキャラクターが絵本のなかで、あっちへこっちへ動くという絵本はほかにあまりないので、とても新鮮でした。

 基本的にあかちゃんはひとりです。保育園とか幼稚園にいったらお友だちと遊ぶけど、あとは大人に遊んでもらう。だから、子どもとしてはひとりのことが多いわけです。そういう意味では、ひとりずつの世界でできること、ということで、ひとりあそびが最初の遊びなんです。でんぐりがえしとか、他にもいろいろあそびのアイデアはありましたが、たくさんの中からこの4つのあそびを選びました。

『ばしゃばしゃコロちゃん』ではコロちゃんが水たまりあそび!

『ごろごろかいじゅうさん』では、かいじゅうさんが空のうえや虹のうえまでごろごろ! 空想の世界を楽しみます

––––たしかに、これはみんなひとりあそびなんですね。ちなみに、きむら先生ご自身が小さなころに好きだったあそびの思い出はありますか?

 自分自身のことはあまり思い出せないかなあ。こういうものは、あたまで考えてやるということはできないから、小さい子が身近にいると、さっきいったようなニュアンスがわかるのだけど、大きくなっちゃうとわからなくなることも多いからね。またそういう環境になると新しいアイデアがでると思います。

––––この絵本を読者の方にどのように楽しんでほしいですか?

 たとえば、『ゆらゆらミケちゃん』がそうですが、実際はミケちゃんは石やロープの上を歩いているんだけど、イマジネーションでこれは海の上とか、谷底の上というふうに考えれば同じ行為でもイメージがひろがりますよね。そういうのを日常に戻ったときのあそびのきっかけに考えてくれたらいいなと思います。

『ゆらゆらミケちゃん』の場面。ミケちゃんはロープのうえをわたっていましたが……「ここから うみのうえ」!

 『ゆらゆらミケちゃん』『ごろごろかいじゅうさん』はそういう空想の遊びだし、『とっとっとピイちゃん』『ばしゃばしゃコロちゃん』は日常のなかで楽しめる遊びですね。

––––最後に、子育て中のおとうさん、おかあさんへのメッセージがあればお聞かせください。

 子育ては大変なことです。ひとつの命を成長させていくということは、仕事とくらべられるレベルのものではないんですね。人類400万年、育児をそまつにしたら、我々は今、存在すらしていないんです。たとえ仕事をしていて子どもと会える時間が少なくても「あなたが大切だからがんばっているんだよ」と子どもに伝えましょう。そして「ながら育児」はやめる。忙しくても、ちゃんと向きあって一人の人間として真剣に子どもと対峙して付き合った時間があれば大丈夫です。

 それから、いまはすごくいっぱいマニュアルがあるでしょう。スマホですぐ調べられるから、気になってしまう。自分の時代はスマホがなかったので、何も気にしないで子育てをしていました。情報にふりまわされて、楽しんで生きるよりマニュアルにしたがって生きることのほうが重要になっている感じがあるので、あまりこだわらずにやって欲しいなという気持ちがあります。子育てのマニュアルも時代によって変わるわけだから、それを信じて行動するよりも、もっと大きく構えて、子どもと一緒にいる時間を大切にして下さい。

––––大きく構えて! いい言葉ですね。今日はありがとうございました!

>あかちゃんのあそびえほん特設サイト もあります!

この記事に出てきた本

バックナンバー

今日の1さつ

通院していた助産院でくいつきがよく、月齢の小さいころから見ていました。先日助産院最後の通院の日、たくさんある本棚の絵本からこれを探し出して、やっぱり何度も見ていたみたい。もう赤ちゃんも卒業かな?と思っていたのですが、まだまだこの絵本に魅力を感じている息子に2歳前ですが、買いました。かってよかった…。(1歳 ご家族より)

pickup

new!新しい記事を読む