本当に絵本ってたくさんあって、選ぶのに困ってしまいますね。本屋さんにいっても、どれがいいのかわからない。中が見られないようになっているのまであるし……。
「うちの子、買っても見ないかも」
「きっと、破っちゃう気がする……」
「まだ、小さいからいいか」
と、本を買わなくていい理由ばかりが浮かんでくる。
じぶんが好きな絵本を選ぶのもオッケイ!
そんなときは、見ているだけでホッとするような絵本や楽しくなるような絵本、こんな色使い好きだなって思う絵本を選ぶのもいい。子どもの頃、読んでもらったなあって本があったら、それもいいですね。
子どもが本を破ったらセロテープで貼ればいいし、まだ早かったかなと思ったら、ディスプレイとして飾っておくのもいいな。お父さんやお母さんが、「この本好き!」って思いは子どもに伝わる気がします。
子どもの好きにとことんつきあうのも、いい
電車好きの子には電車の本。
車好きの子には車の本。
魚が好きな子には魚の本。
とことん、「子どもの好き」につきあうのもいい。
(寂しいくらい、あっさりと卒業しちゃうこともあるけど!)
それから、図書館の司書の方や子育て支援センターや児童センターの職員に聞いてみるとか、近くに子どもの本の専門店があったら足を運んで相談してみるのもいいかも。
「ブッククラブ」を検索するのも手
年齢にあった本がわからないときは、本をセレクトして送ってくれるブッククラブを検索するのもおすすめ。特に子どもの本の専門店のブッククラブは年齢別になっているので、選書されたリストを見ると自分が選ぶときの参考にもなる。気に入ったら入会すれば、毎月すてきな本が送られてくるので、それもいいかも。
あと、「ロングセラー絵本」も調べるのもおすすめ。お父さんやお母さんが、もしくはおじいちゃんやおばあちゃんの世代から20年も、30年も読み継がれている本は子どもたちにとって魅力のある本ばかり。
そして、ロングセラーといえば、『はらぺこあおむし』(エリック・カール 作/もりひさし 訳)。
子どもたちは大きくなることに憧れる。食べて大きくなることがシンプルに目で見てわかるから、子どもたちは、この絵本が大好きなのだと思う。
大きくなったさなぎがきれいなちょうちょに変身するページを見ると、子どもたちから「わあ」って声があがることも。
子どもたちが憧れる「大きくなってちょうちょになったはらぺこあおむし」の姿と、おとなの姿を重ねると、わたしは、ちょっとドキドキする。子どもたちが憧れるおとなでいられているかな? と。
でも、子どもたちの未来のことを、本気で考えている大人は誰でも、ここに描かれているきれいなちょうちょになれるはずだから、きっと大丈夫。このブログを読んでくれている人も、子どもたちに、どんな絵本がいいのかと考えて読んでいるのだから、本気で子どもたちのことを考えているってことですね。
どうかすてきな絵本と出会えますように。
安井素子(保育士)
愛知県に生まれる。1980年より、公立保育園の保育士として勤める。保育士歴は、40年近く。1997年から、4年間、椎名桃子のペンネームで、月刊誌「クーヨン」(クレヨンハウス)に、園での子どもたちとの日々を、エッセイにつづる。書籍に、名古屋の児童書専門店メルヘンハウスでの連載をまとめた『子どもが教えてくれました ほんとうの本のおもしろさ』(偕成社)がある。現在、保育雑誌「ピコロ」(学研)で「きょうはどの本よもうかな」、パルシステムのウェブサイトで「保育士さんの絵本ノート」を連載中。児童センター館長として、日々子どもたちと一緒に遊びながら、お母さんやお父さんの子育て相談も受けている。