家族や友人とあつまり、おいしい料理に会話がはずむ、うれしいクリスマスの日。イブにプレゼントを配りおえたサンタクロースは、そのクリスマスをどのように過ごしているのでしょう? 『はじめてのクリスマス』(マック・バーネット 文/シドニー・スミス 絵/なかがわちひろ 訳)は、人気作家コンビが贈る、サンタが過ごす「はじめての」たのしいクリスマスの1日を描いた絵本です。
サンタさんのために、なにか とくべつで すてきなことを やらなくちゃ!
むかし むかし。
サンタのクリスマスは さびしいものでした。
こんな出だしから、絵本ははじまります。一年中、子どもたちのためのおもちゃを作るのに忙しいサンタ。クリスマスの日にする普段とちがうことといったら、いつもよりほんのちょっと(たった30分!)寝坊をするだけでした。
この話をエルフから聞いたしろくまはびっくり!「それだけ? クリスマスなのに?」
そのしろくまの反応に、ちょっとはずかしくなったエルフたち。みんなで相談をはじめます。「サンタさんのために、なにか とくべつで すてきなことを やらなくちゃ!」
たのしいなあ。つぎは なにをするんだい?
こうして、むかえたクリスマスの日。まず、エルフたちは、「とくべつな あさごはん」においしそうなドーナツをたっぷり用意しました。そして、さっそくいつもの仕事にとりかかろうとするサンタをひきとめ、クリスマスツリーを選びに外へ! そのあとも、むらじゅうに色とりどりのライトをめぐらせたり、アイシングクッキー作りをしたり……。
最初はいつもとちがうクリスマスの日にとまどっていたサンタが、ページをめくるにつれ、この特別なクリスマスの過ごし方を、童心に戻ってはしゃぎ、楽しんでいくようになるようすが伝わってきます。
文章を手がけたのは、ジョン・クラッセンと組んだ『アナベルとふしぎなけいと』『サンカクさん』『シカクさん』などで人気のマック・バーネット。絵は、2024年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞したシドニー・スミス。
エルフとサンタの楽しそうな笑い声が、絵本全体から聞こえてくるような、あたたかな気持ちで読み終える、しあわせいっぱいのクリスマス絵本です!