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絵本&読み物案内

料理をしながらたのしく科学を学ぼう!『キッチンラボ 作って食べておうち実験!』

2024.07.22

レシピをみながら料理をするとき、どうしてこの分量なのだろう?どうして固まるんだろう?など、疑問に思ったことはありませんか? 『キッチンラボ 作って食べておうち実験!』(露久保美夏 著)は、調味料や食材の性質を知れば、もっと料理が好きになる! 「料理×科学」のレシピ集です。

しっかりプリン、なめらかプリン

 まずはプリンをつくりながら、砂糖の性質について見ていきましょう。作り方はほとんど同じで、砂糖の量を変えただけのプリンを比較します。

 ひとつはかためのしっとりプリンが、もうひとつはとろとろなめらかなプリンができました。でも、砂糖の量で質感がこんなに変わるのは、なぜ?

 さて、ここで登場するのが「さとうの科学」です。

 実は砂糖には、たんぱく質がかたまるのをおくらせる性質があります。つまり、砂糖を多く入れるほど、プリンがじっくりとかたまり、なめらかな食感に仕上がるのです。反対に、砂糖が少ないと短時間でかたまるため、ぎゅっとかためのプリンができあがります。

 これを知っていれば、いつでも自分の好みのかたさのプリンが食べられますね!

もちもちピザとさくさくピザ

 次は本作の表紙にもなっている、「もちもちピザとさくさくピザ」です! どうやってつくったかというと……?

 ちがいは「粉の種類」! ひとつは強力粉を使い、もうひとつは薄力粉を使用しています。では、なぜ焼き上がりにちがいが生まれるのでしょうか。

 実はそれには、たんぱく質の性質がかかわっています。

 たんぱく質がむすびついてできるグルテンは、網目状の構造をしていて、生地をささえる骨格の役割をしています。たんぱく質の量が多い強力粉は、よくふくらみ、もちもちと弾力があり、たんぱく質の量が少ない薄力粉は、あまりふくらまずにサクサクとした食感に仕上がるのです。

「おいしく作れた」だけが成功ではない

 作者の露久保美夏さんは、小学生のころからお菓子作りが大好きで、つくったものを食べては「次はこうしてみよう」と、試行錯誤する過程を楽しんでいたそうです。本作も、「おいしく作る」ことだけが正解ではなく、料理の過程で感じることを大切に、自由な発想で楽しんでほしい、という思いがこめられています。

 本作は、全部で28レシピを掲載! 砂糖、塩、酢、乳製品、卵などいろいろな調味料や食材の性質を解説し、料理ではその性質がどのように応用されているか、実験でたしかめます。写真や図解が豊富で、わかりやすく、夏休みの自由研究にもぴったりの一冊です。

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