道におちている石や木の枝、ビンのふたなどを、ひろって持ち帰った経験はありませんか? 子どもは目線が地面とちかいので、いろんなものが目に入り、そのどれもが魅力的に思えるものです。「ミッチの道ばたコレクション」シリーズ(如月かずさ 作/コマツシンヤ 絵)の主人公、ミッチもその一人。そしてミッチがひろうものは、いつもふしぎなできごとを呼びおこすのです!
ミッチのたからばこには、ひろってきたものがいっぱい!
ミッチは、道ばたにおちているものをひろってコレクションするのが好きな男の子。キラキラしたビーズ、しまもようの石ころ、絵がかいてあるビンのふた……。おじいちゃんの家からもらってきたたからばこの中には、たくさんのコレクションが入っています。一見がらくたのように見えても、ミッチにとっては、どれもたからものです。
クッキーの缶(左下)の中には、セミのぬけがらが50個も!
ミッチのお父さんは、本を書く仕事をしていて、いつも家にいます。お父さんは、ミッチのコレクションからふしぎなことが起こるとき、よくそばにいて、ミッチと一緒にふしぎな体験をしたり、アドバイスをくれたりします。お母さんは、大量のダンゴムシをこっそり飼ったりするミッチに、怒ることもありますが、ミッチのことをやさしく見守っています。
ミッチのコレクションからはじまる、楽しいこと!
1巻目は『セミクジラのぬけがら』。クジラの形をした木のかけらをひろい、家に持ち帰ったミッチは、偶然それに麦茶をこぼしてしまいます。すると、木のかけらはむくむくとふくらみ、小さなクジラになったではありませんか! いったいこのクジラは、なにもの? ミッチとお父さんは、クジラを育てようと奮闘します。
2巻目『ドラねこまじんのボタン』でミッチのもとにやってきたのは、ねこの顔のもようのボタン。お父さんは、これをミッチのシャツにつけてくれます。ところが、次の日シャツを見ると、胸ポケットにあったはずのアイスクリームの絵が消えていました! しかも、ボタンをさわると、そこから“ドラねこまじん”が登場。服についた絵柄の食べものなら食べられるという、ちょっとえらそうなこのまじん、ミッチは振り回されることに……。
3巻目は『うたうラッパ貝がら』(2021年8月発売の最新刊)。家族で海にあそびにいき、貝がらをあつめていたミッチは、ラッパのような形で虹色にかがやく貝がらを見つけました。「ラッパ貝がら」と名づけて家に持ち帰ると、その日の夜、貝がらの中から、きれいな歌声が聞こえてきて……。すてきな友達とであう、夢いっぱいのお話です。
すべての見開きページに絵が入っていて読みすすめやすく、はじめての読み物としてもおすすめのこのシリーズ。セミや海など、夏らしいモチーフも多いので、夏の読書にもぴったりです。ぜひミッチと一緒に、ふしぎな体験をしてみてくださいね。