みなさんは沖縄の西表島に行ったことがありますか? 沖縄本島よりずっと南にある、台湾にほど近いところにある島です。この島には、「イリオモテヤマネコ」を代表する、島特有のめずらしい動物や植物が数多く生息しています。『山猫たんけん隊』は、子どもたちに自然の楽しさを伝えてきた松岡達英さんが、コマ割りのイラストで西表島の魅力がたっぷり味わえる絵本です。
無人島でのキャンプに挑戦!
『山猫たんけん隊』は、「東京西山小学校 科学部」の生徒5名が、「南の島で山猫にあいたい」と顧問の先生と計画した6日間のキャンプを描きます。
これまでもたくさんのキャンプの経験をつんできた生徒たち。先生からこの島で出会う可能性のある、毒をもった貝、魚、ヘビについて教わった後、自分たちだけでキャンプの準備をスタートします! 先生はその間、木陰でひとやすみ。子どもたちにすべてをまかせながら、危ないシーンではしっかりアドバイスします。
キャンプ場ではなく、環境の整っていない無人島でのキャンプ。テントを組み立てるだけではなく、自分たちでトイレの穴を掘ったり、焚き火のための石を用意したりもします。キャンプをするための細かな道具一つ一つにしっかりと説明があるのが、松岡達英さんらしいところです。
6日間の夕食の献立をたてたら、さっそく魚釣り! ルアーで釣る子も、シュノーケルに挑戦する子もいます。
昼間はマングローブ(熱帯から亜熱帯の海岸や湿地、河口にある林)の間をカヌーで進んだり、夜は交代で山猫に会うためにでかけたりと、いく先々で、西表島の珍しい生き物や植物たちに出会いながら大冒険をくりひろげます。
さて、子どもたちはイリオモテヤマネコに会えるのでしょうか。
豊富な経験にもとづいた、野外観察絵本
松岡達英さんは、日本各地をはじめ、中南米や東南アジアなどで取材した経験を生かし、数多くの自然科学絵本を描いています。
この絵本にも、経験と観察に裏打ちされた豊富な知識、実物をくわしく観察して描かれた緻密な絵が満載。自然観察はもちろん、テントはり、つり、シュノーケリング、料理、マングローブ探検など、野外生活の楽しみがつまっています。
「西表島」は、世界自然遺産への登録が検討されています(2021年5月現在)。たくさんの生き物がひそむ亜熱帯の森、マングローブの水辺や潮の香り、あざやかな魚が泳ぐ透明な海! 南の島の空気を味わいたい方にぴったりの絵本です。
西表島のキャンプを追体験できる、冒険にでかけてみませんか?