独特の詩情とユーモアのある世界を、ジャンルをこえて発表してきたたむらしげるさん。『おおきなキャンドル 馬車にのせ』は多くの子どもたちに絵本を届けてきたたむらさんが、すべての子どもたちに「おめでとう」を伝える絵本です。
大きな夢をのせて、向かうのは?
小人のニコさんとロボットのダダくんが、使われていない大きなハチの巣を収穫しています。家に帰ると、ふたりはハチの巣をとかして、みつろうキャンドルをつくりました!
「よーし、これくらい おおきければ いいだろう」
大きなキャンドルを馬車につみ、ふたりはどこかに向けて、出発しました。
「♪おおきな キャンドル 馬車に のせー」
「♪おおきな ゆめも のせてゆくー」
パカポコ パカポコ
道中、ふたりは様々な人に出会います。イチゴを摘んでいる人や、束のシナモンスティックを運んでいる人、舟でカカオや卵を運んでいる人……。材料よりうんと小さな身体をもつこの小人たちは、「おさきに!」「まってるよー!」と声を掛け合い、どこか同じところに向かうようです。
キャンドルにイチゴにカカオに卵……さあ、みなさんわかったでしょうか? そう、みんなはケーキを作る材料を運んでいたのです!
今日は子どもたちのお祝いの日。特別なだれというわけではない、生まれてきた子どもたちみーんなをお祝いする日です。
大人たちが子どもたちのために「とびきり」を集める
りっぱなキャンドルに、真っ赤にうれたイチゴ、遠くからでも香ってくるとびきりのいいシナモン……たくさんの大人たちが、はりきっていい材料を集めてつくる、大きな大きなケーキ!
「♪おおきな キャンドル 馬車に のせー」
「♪おおきな ゆめも のせてゆくー」
「♪おおきな キャンドル 馬車に のせー」
「♪おおきな ねがいも のせてゆくー」
「夢」や「願い」の中には、子どもたちの願いはもちろん、子どもたちが喜ぶすがたを見てうれしい大人たちの気持ちもたくさん詰まっています。
未来をつくる子どもたちが生まれてきてくれたこと、そのことを祝う、おいしくて、うれしい1冊。ぜひページをめくりながら、あなたの願いもかけてみてください。そして、小人になった気持ちで、大きな大きなケーキを、いっしょに食べてみてくださいね!
さまざまなお祝いのプレゼントにおすすめの絵本です。
*本書は「La Collina 2020 vol.15」(たねやグループ広報誌)のために描き下ろした「キャンドル パカポコ」を改題、加筆修正したものです。
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