『たまねぎとはちみつ』は、『うさぎパン』をはじめ文芸書を数多く手がける瀧羽麻子さんが、はじめて子ども向けに書いた物語です。挿絵は、漫画家の今日マチ子さんが担当しています。
第66回産経児童出版文化賞・フジテレビ賞を受賞した本作のあらすじ、魅力をご紹介します。
春、千春はおじさんと出会い、新しい考え方を知る。夏、俊太とぶつかりながらも、次第に前を向けるようになる。
質問するとなんでも答えてくれる物知りなおじさんですが、自分で考えることの大切さも伝えてくれます。
また、千春が、ちがう考えかたの友だち2人の間でゆれているときは、こんなアドバイスをくれます。
おじさんと俊太と千春、ちょっとふしぎな3人で過ごすうち、以前はお母さんとちがう考えを持っても、どんな顔をされるか怖くて言えなかったのが、自分の考えをきちんと伝えたい、言葉にしたいと思うようになったり、運動会のリレーがゆううつでも、なんとか力を尽くしたいと懸命になったり……。
秋、冬、そして春…… めぐる季節の中、おじさんにも変化が。
おじさんのために一肌脱ごうと、ある計画を実行することに。これまでの千春だったら決してやらないような、大胆な計画です。
「今日はたまねぎ、明日ははちみつ」と思えるやさしい一冊
おじさんの言葉に、読者も「あらたな視点」に気づかされる、心が丸く広くなる物語です。