「ご飯を食べる」「お風呂に入る」といった、大人になると何気なくできるようになる日常の動作も、子どもにとっては、身につくまでひとつひとつが挑戦です。大人も、いざ説明しようとすると、当たり前すぎてむずかしかったり……。きょうは、そうした普段の生活のマナーを丁寧に紹介し、「自分でやりたい!」「できるもん!」という子どもの気持ちを後押しする絵本『いちばんはじめのマナーえほん』(峯村良子 作)をご紹介します。
主人公は、男の子と女の子のふたごのきょうだい、りんくんとららちゃん。大人はいつも「顔は洗った?」「お片づけしてね!」などとけれど、「ぼくたち、自分でこんなことができるんだよ!」と、いろいろな生活マナーを教えてくれます。
たとえば「ようふくを きる」のページ。
「《ボタンを かける》かけちがいをしない コツは、したから はじめること」
たしかに、上のほうはボタンが見えにくくてまちがいがち! 下から始めると安心です。
「《したぎを しまう》でていると だらしなく みえるよ」
大人になるといつのまにか覚えていますが、こうしたマナーも大切ですね。
服のかんたんなたたみ方ものっています。
こちらは「トイレに いく」のページ。
トイレに入るところから、おわってパンツをはくところまで、1コマずつ丁寧に紹介します。
「トイレに おもちゃは もっていかないよ!」
大好きなおもちゃは手に持っていきたくなりますが、おいてトイレにいけると花丸ですね! こうした細かい部分にもふれています。
準備が終わったら、外におでかけ。買い物をする、乗りものにのる、帰ってきて手を洗うなどなど、寝るまでの1日の流れに沿って、たくさんのマナーがでてきます。
「これ、できる!」「今度はこれもできるかな?」親子で一緒に本をめくって楽しめます
この本には、おおよそ2〜3歳ごろからできるようになるマナーがのっていますが、年齢や月齢にかかわらず、自分でやりたい! という気持ちがめばえたタイミングが読みどきです。もちろん、はじめはできないことの方が多いもの。と、まだできていないことにも、前向きな気持ちで挑戦できるかもしれません。
まだ体験していないことをイメージしやすくなったり、流れを自然に把握できたり……「絵本」ならではの魅力がいっぱいのマナー絵本です。大人が読んでも、「たしかにこうすると、やりやすい!」「これは自分もできていないかも…」と、発見があるかも? かたくるしくならず、楽しくページをめくってみてくださいね。