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絵本&読み物案内

どんな魔法を使いたい? 魔法使い、魔女がでてくる本

2018.10.12

今週は、10月のハロウィーンにむけて、魔法使いや魔女が出てくる本をいくつかご紹介します。一言に魔法といっても、いい魔法だったり、悪い魔法だったり、ささやかな魔法だったり、種類はいろいろ。あなたはどんな魔法を使いたいですか?


近所の魔女『となりのまじょのマジョンナさん』

 家の近所に住んでいるあのひと、実は魔女なのでは……。いつも黒い服を着ていたり、クールな表情をしていたり、髪を長くしていたりすると、ついついそんな楽しい想像がふくらんでしまいます。
 絵本『となりのまじょのマジョンナさん』(ノーマン・ブリッドウェル 作/長野ヒデ子 絵/ながつきるり 訳)に出てくる、男の子と女の子の家のとなりに住む女の人は、本物の魔女なんですって! 引っ越しのときだって、荷物をあっという間に家の中に運びいれてしまうし、お散歩のときはコウモリやおかしな生き物をつれて歩いています。でも、いつだってマジョンナさんが使う魔法は人を傷つけません。魔女でも魔女ではなくても、家のとなりにこんなに楽しいやさしい人が住んでいたらいいなあ。

通学路の魔法『魔法学校へようこそ』

 学校の帰り道に、今まで気づいていなかった小道をみつけたり、いつもと違うものをみたりすると、なんだか不思議なことに出会えるかも……と期待感が高まります。
 『魔法学校へようこそ』(さとうまきこ 作/高橋由為子 絵)の3人は、いつもの通学路に、みたことのない矢印を発見。しかも、突然動き出したその矢印を追うと、魔法学校へたどりつきます。魔法使いのおばあさんが教えてくれるのは、「9秒間、時を止める魔法」「物体を9センチ、持ち上げる魔法」。なんだか、地味ですね。こんな魔法が一体何の役に立つのでしょうか?

闇の魔法『黒魔女コンテスト』

 イギリスの女流作家エヴァ・イボットソンのファンタジー『黒魔女コンテスト』(エヴァ・イボットソン 作/三辺律子 訳)の主人公は、悪と闇の黒魔術の世界に君臨する偉大なる魔法使い〈恐ろしのアリマン〉。
 長年この闇の世界を守ってきたアリマンでしたが、そろそろ跡継ぎを育てたいと、花嫁を迎えることにしました。しかも、コンテスト形式で! 花嫁になれるのは「もっとも黒い魔法をおこなった魔女」。そこにあつまった個性豊か
魔女たちの中から、アリマンが選んだ花嫁とは? ウィットにとんだ語り口で読者を楽しませてくれます。

魔女の生活になじめない魔女『大おばさんの不思議なレシピ』

 『大おばさんの不思議なレシピ』(柏葉幸子 作/児島なおみ 絵)の主人公は、不器用な少女、美奈。美奈がおばさんの家でみつけたレシピ集は、ただのノートではありませんでした。なんと、お料理や小物をつくるとたちまち不思議の世界へトリップできるのです! そこでは、美奈がつくったものが(下手くそだなんだと文句を言われながらも)思わぬことに役立てられます。例えば、クレープは、「魔女のパック」に! 魔女の生活になじめない魔女が所望したこのパック、一晩だけしわしわに、魔女らしくなれるのが魅力なのだとか。ほか3編がはいった連作童話。
 
 いかがでしたか? いろんな「魔法」が出てくる本の中に、「この魔法なら、使いたい!」というものがきっとあるはずです。ファンタジーならではの世界をぜひお楽しみください。

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