今週は、10月のハロウィーンにむけて、魔法使いや魔女が出てくる本をいくつかご紹介します。一言に魔法といっても、いい魔法だったり、悪い魔法だったり、ささやかな魔法だったり、種類はいろいろ。あなたはどんな魔法を使いたいですか?
近所の魔女『となりのまじょのマジョンナさん』
家の近所に住んでいるあのひと、実は魔女なのでは……。いつも黒い服を着ていたり、クールな表情をしていたり、髪を長くしていたりすると、ついついそんな楽しい想像がふくらんでしまいます。
絵本『となりのまじょのマジョンナさん』(ノーマン・ブリッドウェル 作/長野ヒデ子 絵/ながつきるり 訳)に出てくる、男の子と女の子の家のとなりに住む女の人は、本物の魔女なんですって! 引っ越しのときだって、荷物をあっという間に家の中に運びいれてしまうし、お散歩のときはコウモリやおかしな生き物をつれて歩いています。でも、いつだってマジョンナさんが使う魔法は人を傷つけません。魔女でも魔女ではなくても、家のとなりにこんなに楽しいやさしい人が住んでいたらいいなあ。
通学路の魔法『魔法学校へようこそ』
学校の帰り道に、今まで気づいていなかった小道をみつけたり、いつもと違うものをみたりすると、なんだか不思議なことに出会えるかも……と期待感が高まります。
『魔法学校へようこそ』(さとうまきこ 作/高橋由為子 絵)の3人は、いつもの通学路に、みたことのない矢印を発見。しかも、突然動き出したその矢印を追うと、魔法学校へたどりつきます。魔法使いのおばあさんが教えてくれるのは、「9秒間、時を止める魔法」「物体を9センチ、持ち上げる魔法」。なんだか、地味ですね。こんな魔法が一体何の役に立つのでしょうか?
闇の魔法『黒魔女コンテスト』
イギリスの女流作家エヴァ・イボットソンのファンタジー『黒魔女コンテスト』(エヴァ・イボットソン 作/三辺律子 訳)の主人公は、悪と闇の黒魔術の世界に君臨する偉大なる魔法使い〈恐ろしのアリマン〉。
長年この闇の世界を守ってきたアリマンでしたが、そろそろ跡継ぎを育てたいと、花嫁を迎えることにしました。しかも、コンテスト形式で! 花嫁になれるのは「もっとも黒い魔法をおこなった魔女」。そこにあつまった個性豊かな魔女たちの中から、アリマンが選んだ花嫁とは? ウィットにとんだ語り口で読者を楽しませてくれます。
魔女の生活になじめない魔女『大おばさんの不思議なレシピ』
いかがでしたか? いろんな「魔法」が出てくる本の中に、「この魔法なら、使いたい!」というものがきっとあるはずです。ファンタジーならではの世界をぜひお楽しみください。