少しずつやってくる秋の足音。気温が下がってくると、ちょっと問題になるのが、夜のトイレ。行きたい気持ちがあっても、暗いなかひとりで起きるのは勇気がいるものです。今回紹介する絵本、新進気鋭の絵本作家コンビ、ザ・キャビンカンパニーの『よるです』は、一人寝つけないすうちゃんの、怖くて楽しい夜のトイレへの道のりを描きます!
トイレまでの道には怖いものがいっぱい!
こち こち こち こち こち こち。真夜中の12時。
時計の音で眠れないすうちゃんは、トイレに行きたくなってきました。けれども、パパもママも起きてくれそうにありません。
すると……
むくりっ! とつぜん もうふが に なりました。
「こわがらないで。ぼくが いっしょに トイレに ついていってあげる」
トイレへの道はなんだかながーく感じます。しかも、泥棒やクモなど、そこには、こわいものがいっぱいです。
「ど、どうしよう」すうちゃんは立ち止まってしまいますが……
ばくっ! ばくっ! ばくばくばくばくーーー!!
そこへ飛び出してきたのはあの、“ばく”です。泥棒も、怖いクモもあっという間にばくのお腹のなかてでてきたのです! すうちゃんもすっかり大よろこび。
すうちゃん、無事にトイレにたどり着けるでしょうか?
たくさんのあざやかな色が夜の黒に映える絵本。いつのまにか怖い夜が夢のような楽しい世界になっています。
絵本作家、ザ・キャビンカンパニー
この絵本を描いたのは阿部健太郎さんと吉岡紗希さんです。ふたりでザ・キャビンカンパニーというを組んでいます。たおふたりは、地元大分での活動を、全国のギャラリーやショップにて展覧会、絵本やイラスト、ワークショップなど、様々な分野で幅広く活動しています。
アトリエは、なんと廃校になった小学校! 展示用に巨大な立体造形物を作ることもあるは、この広いアトリエで日々制作を行っています。
「ザ・キャビンカンパニーらしさ」を出すために、ひと目でみて「ザ・キャビンカンパニー」が描いたとわかる作風をさぐったり、コンビ名のロゴを考えたりと、絵本づくりにはアーティストとしての工夫もたくさんこめられています。