みなさんのまわりに、「おおいしさん」というお名前の方はいるでしょうか。身近にいなかったとしても、耳にしたらきっと、どこかの「人の」名前かな、と思いますよね。
でも、今日ご紹介する絵本『オオイシさん』(北村直子 作・絵)の主人公オオイシさんは、その字のとおり、大きな石! それも、あちこちひっぱりだこの、はたらく人気者の石なのです。
きょうはこの気になる『オオイシさん』をご紹介します!
「オオイシさん いるかい?」扉を開けると、オオイシさんが迎えてくれます
「いるとき えいぎょう」の札がかかっている家。声をかけて扉をあけると、町の人が仕事を頼みにきたのです。
「らっしゃい。きょうは なんだい?」「こうじの くるまが こわれてね、こまっているんだ。いつもの たのむよ。」
ゴロゴロゴロ。オオイシさんが転がると、道がすこしになりました。
ほかにも、粉ひきをしたり、つけもの石になったり、すもうのけいこに付き合ったり……。いそがしくはたらくオオイシさんは、町の人気者です。
なんと、時代劇への出演オファーが! オオイシさん、映画界にデビュー
そんなある日、オオイシさんのところに、映画の撮影所の人がスカウトにやってきました。なんでも、時代劇の大事な役をたのみたいというのです。
その話にとびついたオオイシさんは、「主人公の大石蔵之助の家にある、立派な石」として映画デビュー。その後もさまざまな映画に出演することになります。
ところが、ある映画の撮影中、オオイシさんはバランスを崩し、海におっこちてしまいます! さて、どうなるのでしょう……?
舞”絵本!
ユニークな設定が楽しい『オオイシさん』ですが、実はもう1冊、『ワタナベさん』という絵本もあります。こちらはお鍋のワタナベさんが主人公。ワタナベさんは、「さむいひ えいぎょう」の札を下げ、家でお鍋料理のお店をいとなんでいます。、実はオオイシさんは、ワタナベさんと同じ町に住んでいるのだとか! こんな楽しい2人(?)がいる町、楽しそうですね。
どちらも楽しい、“ユーモア名字”絵本です。ぜひ一緒によんでみてくださいね。