クリスマスはもうすぐそこ。ツリーを飾りつけたり、プレゼントを用意したり、楽しいことがたくさんありますが、子どもたちが一番どきどきする、夢がつまったひとときといえばそう、サンタさんがやってくる夜です。きょうは、その一晩をいきいきと描いた詩の絵本、『クリスマスのまえのばん』(クレメント・ムア 詩/ターシャ・テューダー 絵/中村妙子 訳)をご紹介します。
ねずみたちまで ひっそりと しずまりかえった いえのなか
クリスマスの前の晩の、とある家。クリスマスツリーがきれいに飾られ、暖炉にはくつしたがかけてあり、サンタさんを迎える準備が整っています。
子どもたちも動物たちも、夢の中。最後にお母さんがろうそくを吹き消して、眠りにつきました。ひっそりとした夜です。
真夜中お父さんが、物音を聞いて目をさまし、窓を開けてみます。すると、雪が明るい月に照らされて、外は昼間のよう。そして遠い空から、トナカイがそりをひいてやってくるではありませんか! 御者はもちろん、サンタクロースです!
プレゼントを届け、次の場所へ向かうサンタクロース
えんとつから家に入り、暖炉に登場したサンタさん。動物たちも起き出してサンタさんをかこみます。元気なサンタさんはせっせとプレゼントをくつしたに入れ、お父さんに「ないしょ、ないしょ」と合図して、またあっという間にえんとつへ。
夜空を遠ざかっていくそりから声が響くのを、お父さんは聞きました。「みなさん、クリスマスおめでとう!」
この絵本のサンタさんは、こびとのおじいさん。絵からもそのすばしっこく愉快な人柄が伝わってきます。
、色あざやかで美しい世界
にぎやかなクリスマスを目の前にした家の、静けさや暖炉のあたたかさ、寒い外の澄んだ空気温度や雰囲気まで伝わってくる絵はみごとです。
1ページずつ、大切にめくりたい一冊です。