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絵本&読み物案内

まんまるチーズのお月さん、ちょっぴりでいいからかじらせて。『ちいさいねずみ』

2017.09.11

秋になりました。秋は十五夜もあり、月がきれいな季節です。きょうご紹介する『ちいさいねずみ』は、おなかをすかせた小さいねずみと、空でいつも笑っているだけの「お月さん」を描いた秋の絵本です。おいしそうなお月さんに、思わずおなかが鳴ってしまうかもしれませんよ!


まあるいお月さんは、できたてチーズにちがいない!

 ある町で空を見上げた、ちいさいねずみ。空にはまんまるのお月さんが、ちんがり笑っています。「お月さん、あんた できたての ほやほやの チーズで できてるんでしょ。」おなかをすかせたねずみには、どうしてもお月さんがチーズに見えて仕方がありません。


 「お月さん、いま そこへ いくから まってて。」ねずみは急いで家のやねにのぼりますが、さっきやねに引っかかっていと思ったお月さんは、いつの間にかもっと高いところにいます。そこで、はしごを運んできてお月さんに降りてきてもらおうとしましたが、はしごは重くて動かせません。ちいさいねずみは、がっかり

チーズのお月さんはなかなか出てこない

三日月お月さんは、だまって光るだけです。

 またまあるいチーズのお月さんが出てくるのを、楽しみに待つねずみ。でも、天気が悪いとお月さんは出ず、出てきたと思ったら、それは三日月のお月さんでした。ねずみは三日月のお月さんに伝言をたのみます。「チーズの お月さんに あったら いってくれない。はしごは だめだったからって。」

あらわれたお月さんを追いかけて、ねずみは山へ

 雨の日をしのぎ、チーズのお月さんを待ちわびたねずみは、ある日とうとう空にふたたびお月さんを見つけます。お月さんが山のほうへ行くのを見たねずみは、どんどんどんどん追いかけていき、山へたどりつきますが、くたくたになっ、木のねっこの穴の中で眠ってしまいました

 さて、ちいさいねずみは、チーズのお月さんをかじることができるのでしょうか。そして、おなかを満たすことはできるのでしょうか。秋の野山の雰囲気も感じられる、すてきな結末が待っていますよ。

 秋の夜に浮かぶまあるい月は、たしかにとってもおいしそうですよね! 「ちんがり」笑うやさしい光を思いながら、ゆっくり読みたい絵本です。

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