夏といえば、食べたくなるのがカレー! インド発祥の食べものですが、日本で独自の進化をとげ、いまや日本の家庭料理の大定番になっています。夏バテで食欲がなくても、野菜たっぷりお肉たっぷり、ピリリと辛いカレーを食べるとふしぎと身体が活性する気がします。きょうは、そんなカレーをとことん材料からみていく知識絵本『そだてるカレー』(真木文絵 作/石倉ヒロユキ 写真・絵)をご紹介します。
カレーは何からできている?
『〈野菜から〉そだてるカレー』は、ごはんのもとになる食材をたどる「おいしいごはんができるまで」のシリーズのなかの1冊。カレーは、インドの食べ物ですが、明治時代にイギリス経由で日本に紹介され、その後独自の進化をとげ、現在のような、ごはんにかけて食べるカレーライスができました。
定番の具は、たまねぎ、じゃがいも、にんじん、これにカレールウを混ぜてつくりますね。ここまではみんなが承知のこと! ですが、それぞれの野菜、そしてカレールウがどうやって作られているか、知っていますか?
まずは、野菜のタネまきからさかのぼり、どんな芽が出て、どんな花が咲くのか。そして、実が大きくなっていく過程を写真と詳しい説明でたどります。ニンジンは白いきれいな花を咲かせること、玉ねぎというだけあってその葉はねぎにそっくりなこと、じゃがいもはじゃがいも自体を土にうめて発芽させること……スーパーできれいに梱包された野菜しか目にしない人も多いと思いますが、土の中での成長をみると、野菜を観察する目もちょっと変わるかも!
気になる「涙のでないタマネギの切りかた」、じゃがいもにあるらしい「ソラニンの毒」についても豆知識がのっています。
家でも作れる!カレールウ。お手伝いの前に読みたい
カレーの味の決め手となるのが、カレールウ。みなさん、お気に入りのルウがそれぞれあると思いますが、実はこれも家庭でつくることができます。この本ではその詳しいつくりかたも紹介。
ターメリック、コリアンダー、カイエンペッパー、カレー粉など、お好みのスパイスをまぜ、バターと小麦粉で練って冷ませば、あっという間にできあがりです。作り方が分かってしまえば、いつも買っているカレールウの材料をみるだけでも楽しい。
野菜、そしてルウの作り方をたどったところで、最後はカレーライスのつくりかたも、もちろん紹介しています。
カレーといえば、家庭料理のお手伝いとして子どもたちが参加しやすい料理のひとつです。まずはこの本を読んで、カレーの材料の知識を深めてから取り組むと、お手伝いする気分も高まるかもしれませんね!
なにげなく食べている食事をもとからたどる楽しさ
「おいしいごはんができるまで」シリーズは、ほかに『〈お米から〉そだてるおにぎり』『〈大豆から〉そだてるみそしる』『〈とうもろこしから〉そだてるオムレツ』の4冊が刊行されています。
著園芸・野菜ライターとして活躍する真木さんのやさしくわかりやすい文章と、イラストレーター、エッセイストとして活躍する石倉さんのかわいいイラストで、肩肘はらずに、親しみをもって読めるシリーズです。
それぞれ、様々な食材が育つ様子、料理のつくりかたをくわしく紹介しています。ぜひほかの巻もみてみてくださいね。