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子育てと絵本の相談室

保育園の部屋で、3・4・5歳と読んだこんな本

第14回

春、新しいことにどきどきしている子どもたちへ。絵本『どきどきしてる』

2026.03.25

4月になると、新しい出会いや、新しくはじまることがたくさんあります。

「もうすぐ(保育園の)2階にいくんだ」

「もうすぐ黄色のぼうしになるんだよ」

保育園の2歳の子どもたちは、2階にある幼児クラスに進級することをとても楽しみにしています。幼児クラスになると、ぼうしの色が変わり、お姉さん、お兄さんになることにわくわくしているようです。

4月から学校へ行く年長さんたちは、不安だったり、楽しみだったり。生まれてからまだ数年しかたっていなくても、おとなと同じようにわくわくしたり、どきどきしたりしています。


年長のけえちゃんは不安なのか、朝の送りの時間は年少の頃のようにお母さんに抱っこしてもらわないと離れられなくなっています。

そんな姿を見せる子どもたちに、絵本『どきどきしてる』を読んでみました。


『どきどきしてる』(たけがみたえ 作、偕成社)

朝いちばんに大きな声をだしたにわとりや、ちょうになる前のさなぎ、大きなうんこがでたぞう、さくら、いぬ、うみ。

それぞれがどきどきしている場面が、迫力のある版画の絵で表現されています。

どきどきする気持ちをよく理解している子どもたち

『どきどきしてる』を読み終わると、年長のりこちゃんがこう言いました。

「わたし学校に行くからどきどきしてるよ、だって知らないとこだし、知らない友だちばっかりだし」

りこちゃんの言葉をきいて、そこにいた子たちがどきどきする場面を次々に教えてくれました。

「わたしは注射するとき、どきどきする」

「ぼくは、夜おばけがでそうなときがこわくてどきどきする」

けえちゃんが、「わたしはゆずくんにマフラーわたすとき、どきどきした」と言うので、「自分で編んだマフラーをプレゼントしたの?」ときいたら、「うん」と恥ずかしそうにしていました。

「それはどきどきしたね」と言いながら、わたしが思っている以上に、子どもたちは「どきどきする」という感情をちゃんと理解しているのだとあらためて思いました。

子どもたちはまだ表現の仕方がわからなくて、おとなが先回りして会話をしてしまったり、場合によっては行動をとがめられてしまったりする場面も多い。でも、ひとりひとり、いろいろな思いを持っているから、絵本に登場する動物たちの「どきどきしてる」気持ちを、おとなより素直に理解しているのかもしれません。

どきどきする感情を表現した絵本に『あの、ここ どうぞ。』がある

どきどきすると言えば、『あの、ここ どうぞ。』という絵本があります。電車に乗った女の子が、困っている人に席をゆずろうとするお話です。


『あの、ここ どうぞ。』(くすのきしげのり 作、こがめたく 絵、偕成社)

絵本を読んで、若い頃に電車の中で、あとからきたお年寄りに席をゆずろうとしたときに、どきどきしたことを思い出しました。

最近のわたしは、電車の中で赤ちゃんが泣いて困っているお母さんやお父さんに出会うと、「赤ちゃんは泣くものだから、気にしなくて大丈夫」と声をかけることが多くなりました。そんなときに、どきどきすることはなくなりましたが、相手がほっとした顔になるとうれしく感じます。

保育園の子どもたちはまだ、席をゆずってもらうことが多いと思うけれど、どきどきする気持ちをよくわかっているのだから、今度この絵本を保育園でも読んでみようと思っています。

子どもたちは、これからたくさんどきどきすることに出会うと思うけれど、「わくわく」と一緒に感じる「どきどき」する機会がたくさんありますように!

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