この原稿を書いているのは6月ですが、まだ6月だというのに、こんなにも暑い日が続いていて、本当にどうしようという気持ちでいます。
「熱中症警戒アラート」が発表されたら外では遊べないというのに、それが6月からはじまってしまうなんて!
でも、暑くても外で遊びたいのが子どもたち。わたしが働く保育園では、テラスにミストシャワーを設置しました。また、気温が上がらない朝のうちに……と、登園してきた子から水遊びをはじめていいことに。
水遊びには、安全面はもちろん、着替えが園の外から見えないようにすることや、はだかで水遊びをしないようにすることなど、配慮しなくてはならないことがたくさんあります。それに加えて、暑さ対策も重要。9時を過ぎると、水遊びをしている子のところまで、コップに入れたお茶を運んで、水分補給をしっかりおこないます。
水遊びを経験することで得られることはたくさんあるので、どうしたら子どもたちが安全に水遊びをできるか、いつも頭を悩ませながら実施しています。
気温の上昇などを背景に、保育園では園庭を変える動きもでてきている
保育園の園庭を変えていこうという動きもあります。日陰がない学校の校庭のような園庭から、木陰ができる木のある園庭へ。
子どもたちが登ったり、暑い日に木陰で休んだりできるように木を植えることや、隠れ家にできそうな小屋やビオトープを作ることなど、さまざまな工夫をする保育園がでてきています。保護者の方が協力して、園庭の改造に取り組んでいる園もあります。
そんな園庭では、子どもたちは自由にゆったりと遊び、子どもたちのまわりの温度も、木陰があることで少し下がります。
わたしが働く保育園でも、実のなる木やにおいのする木をたくさん植えたのですが、まだ開園3年目なので、残念ながら木陰ができるほど木が大きく育っていません。これからが楽しみです。
木陰に集まる動物たちが出てくる絵本『ちょっといれて』
園庭の木がまだ小さいので、日陰を作るべく、保育園の砂場の上に小さなテントをたてました。そこに集まった子どもたちが、異年齢で砂遊びをしているのを見て、絵本『ちょっといれて』(さとうわきこ 作・絵、偕成社)を思い出しました。
この絵本は1978年に出版されましたが、温暖化の現代を作者のさとうわきこさんは予想していたのかと思うような内容です。
暑くて汗だくな動物たちが「あつい、あつい」と言いながら、木陰に集まってきます。
うさぎ、ねこ、いぬ、へび、きつね、くま……。1本の木の木陰にみんなが入れるわけないのだけれど、太陽が動いているので、木陰もだんだんのびてきて、その中に動物たちがきゅっと集まっていく。どうにかして木陰の中にいる動物たちの絵がとってもかわいい。そこにぞうがやってきて……。ユーモアのある表現に子どもたちはげらげらと笑います。
ぎゅうぎゅうにくっついたら、余計に暑そうだけれど、なんとなくほっこりとあたたかい絵が魅力です。子どもたちを森に連れ出して、そこに吹く風や小川が流れる音などを感じるのもいいなあと思います。
暑い日が続くときは、涼しい部屋で、長いお話を読むのもおすすめ
あまりにも暑い日が続くようなら、涼しい部屋で子どもに本を読んであげるのもおすすめです。
少し長いお話ですが、3・4・5歳クラスなら、童話『へんてこもりにいこうよ』(たかどのほうこ 作・絵、偕成社)を読むのもいいですね。
そらいろ幼稚園から森へ出発した子どもたちが出会う、不思議な世界を楽しめます。お話の中に、しりとり遊びがでてくるので、お話を読んだあとはクーラーがきいた涼しい部屋でしりとりがはやるはずですよ!