「ロッタちゃん」をご存じでしょうか? ロッタちゃんは、『長くつ下のピッピ』などで知られるスウェーデンの児童文学作家、アストリッド=リンドグレーンが生んだ、やんちゃでおちゃめな女の子です。ロッタちゃんが出てくるお話はいろいろありますが、きょうはそのはじめの1冊、『ちいさいロッタちゃん』をご紹介します。
にいさんのヨナス、語り手のマリヤ、そして”みそっかす”の末っ子、ロッタちゃん
『ちいさいロッタちゃん』の語り手は、ロッタちゃんのお姉さんである、マリヤという女の子です。一番上のお兄さん、ヨナスと、3人でごっこあそびをする時のこと(ロッタちゃんはいつも足手まとい)、雨の中マーケットにお買い物に行き、傘の下でキャンディをなめたこと(雨のためロッタちゃんはお留守番)……。子どもたちの日常が、マリヤの子どもらしい言葉でいきいきと語られます。
「おまもり天使ごっこ」で天使になるヨナスとマリヤ、ただ座らせられるロッタちゃん
たくさんの魅力的な登場人物
ロッタちゃんのおうちは5人家族です。先ほどご紹介したヨナスとマリア、にぎやかな家が大好きなパパ、まじめでやさしいママ。お兄さんお姉さんのように大きくちょっぴり背伸びをする、やんちゃで強情なかわいいロッタちゃん!
むしばの治療で、ぜったいに泣かないと言ったロッタちゃん。実際に泣かずに戻ってきて、えらい! と思ったら……歯医者さん、「手がつけられませんでしたよ。どうしても口を開けないんですからねえ」。
ほかにもお隣のベルイおばさん、いとこのアンナ=クララ、おじいさんとおばあさんなど、たくさんの人が登場します。それぞれに個性があり、マリヤの視点で描かれる登場人物は、みんなとても魅力的です。
「なんてことない毎日」が、こんなに愉快!
ロッタちゃんのまわりでは、いつも事件が起こります。ちょっとしたお出かけも、兄弟には大冒険。どたばた、ぎゃあぎゃあ、にぎやかな彼らを追っているうちに、いつの間にかロッタちゃんたちの魅力にとりつかれてしまいます。なんてことのない毎日がいきいき輝く、楽しい一冊です。
今の季節は、クリスマス用のもみの木をめぐるロッタちゃんの奮闘を描いた絵本、『ロッタちゃんとクリスマスツリー』もおすすめ! 北欧のクリスマスの雰囲気が味わえます。
みなさんもぜひ、ロッタちゃんの魅力に浸ってみてください!
★おまけ★
スウェーデン南部にある、アストリッド・リンドグレーン・ワールドでスタッフが撮影した、「ロッタちゃんのお部屋」の写真をお見せします!
こちらです。ななめの天井、こまごましたぬいぐるみや雑貨……、うーん、楽しそう! ロッタちゃんの姿を思い描いてしまいますね。