かばの親子のかわいらしいやりとりと、自然界の厳しさを迫力ある版画で表現した絵本『ちいさなヒッポ』(マーシャ・ブラウン 作/内田莉莎子 訳)。原作が刊行されてから50年以上にわたり、多くの子どもたちに愛されてきた名作をご紹介します。

かばの子ヒッポ、お母さんのもとをはなれて、はじめて外の世界へ!
かばの子のヒッポは、生まれてからまだ一度も、お母さんのそばをはなれたことがありません。そんなちいさなヒッポも、生きるために必要な「かばのことば」を覚えるときがきました。
かばのことばで大切なのは「グァオ!」と大きくほえること。お母さんのお手本につづいて、ヒッポはなんどもなんども練習します。
「グァオ、こんにちは!」「グァオ、おんにちは!」
「グァオ、あぶない!」「グァオ、あぶらい!」
「グァオ、たすけて!」「グァオ、たっけて!」

あるとき、みんなが寝ているなか、ひまをもてあましたヒッポは群れをはなれてしまいます。すると、目をぎらぎらとさせた大きなワニが、ヒッポのもとにすべりよってきたのです。ヒッポは助けを呼ぼうとしますが、そのすきにワニがヒッポのしっぽにかみついて……。

少しだけ外の世界へ飛び出したヒッポが、はじめて直面する厳しい弱肉強食の世界を、臨場感たっぷりに描きます。
原作刊行から50年以上、今も多くの人々に愛される
作者のマーシャ・ブラウンは『三びきのやぎのがらがらどん』(福音館書店)などで知られる絵本作家です。本作では木版画を用いて、かばの暮らす自然や動物たちの表情を、美しくダイナミックに描きました。訳者の内田莉莎子さんは、『おおきなかぶ』『てぶくろ』(ともに福音館書店)、『三びきのくま』(偕成社)など、ロシア・東欧の絵本を数多く手がけた名翻訳家です。
お母さんのそばで安心してのびのびと暮らすヒッポと、子どもを守るお母さんの力強い愛情は、時代をこえてたくさんの読者にとどいています。


