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子育てと絵本の相談室

保育園の部屋で、3・4・5歳と読んだこんな本

第11回

子どもの好奇心にこたえる星の本『ふゆのほし』

2025.12.25

わたしは星を見ることが好きで、高校生のときは星座クラブに入っていました。週1回のクラブ活動の中で、教室にあるプラネタリウムで星を見ながら神話をきいたり、自分で調べたりするのが楽しかった記憶があります。

おとなになってからモンゴルを旅する機会に恵まれ、新月の夜に空を見上げて星を見ていたら、自分が宇宙の一部になったような気分を味わいました。

子どもたちと一緒に星を見ることができたらいいなあと思うのだけれど、保育園の生活のほとんどは昼間なので、子どもたちと星を見上げることがないのが残念。

子どもたちにとって、風や雨や雷など、身のまわりにある自然現象は不思議なことばかり。その不思議さに心を動かされる子どもたちを、たくさん見てきました。

絵本『ふゆのほし』に興味を持つ子どもたち

子どもたちの目に「星」はどんな風にうつっているのだろう。そんなことを思いながら、かこさとしさんの『ふゆのほし』のページをひらきました。

『ふゆのほし』(かこさとし 著、偕成社)

『からすのパンやさん』や『どろぼうがっこう』などの作者として知られているかこさとしさんは、科学の本もたくさん出版しています。

かこさんは子どもたちの興味や関心にあわせ、とてもわかりやすく、星座について説明をしてくれます。

年少と年中の子どもたちの中でこの本をひらくと、興味しんしんのようすで集まってきました。

年少には難しい内容かなと思ったけれど、星に「シリウス」や「プロキオン」などの名前があることを知ると、「見たことある!」と本をのぞきこんできます。

「オリオン座」の話の次は「へいけとげんじ」、「まくらのそうし」の話もでてきて、声をだして読んでいるわたしも、面白くなってきます。その後は「ふゆとなつのちがい」や「めぐるきせつ」など、科学の話が登場。

わたしが読んでいる言葉が難しいようで、子どもたちは絵本を指さして、自分たちでわいわい楽しんでいました。この絵本を保育室に置いておいたら、こうしていつでもながめられて、年長の終わりには星のことがしっかりわかるかもしれません。

子どもたちの好奇心は計り知れない。

文部科学省が提唱する、保育所保育指針の項目に、「幼児期のおわりまでに育ってほしい10の姿」というものがあります。その中であげられている姿のひとつが「自然との関わり」です。

文部科学省ではその姿を「自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え、言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる」としています。

この姿をめざして、保育園でも散歩にでかけたり、虫を飼ってみたり。保育園は、自然が豊かなところもあれば、町の中にある園もあります。どの保育園にとっても、図鑑はとてもよくて、保育室に置いておくと、どの本もボロボロという表現がぴったりの状態になります。図鑑を見ると、子どもたちの好奇心は計り知れないといつも思います。

『ふゆのほし』も、飽きずに見る子がきっとあらわれると思います。

雲がない夜に、おうちの人といっしょに空を見上げてくれたらいいなあ。冬の大三角形とオリオン座は、きっとみつけられるはずです。

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