包丁をにぎるのはまだこわいけど、ぎょうざを包むのはお手のもの!というお子さんは多いのではないでしょうか。今回ご紹介する『ぎょうざのひ』(かとうまふみ 作・絵)は、みんなでぎょうざを作る、家族の一大イベントを描いたお話です。
ぎょうざをどっさりつくって食べる、今日は楽しい「ぎょうざのひ」!
学校からの帰り道、友達との話もそっちのけで、ワクワクがおさえられない女の子。だって今日は、待ちに待った「ぎょうざのひ」! ぎょうざのひには家族みんなで、ぎょうざをどっさりとつくって食べるのです。
そそくさと家に帰った女の子は、弟妹たちといっしょになかよく、餃子のたねをこねます。そのあとはお待ちかね、本日のメインイベント! できあがったたねを、皮で包んでいく作業です。
「せかいいち かっこいい ぎょうざを つくるぞ!」とみんなで競い合って、いろいろ楽しいかたちのぎょうざができあがりました。
ぎょうざを焼くのは、お母さんの係。「カリッと やいてね。はやく やいてね」と子どもたちが口々に言う中、できたのは……。きれいに焦げ目がついた、なんともおいしそうなぎょうざ! 「いただきまーす!」と、子どもたちは我先にとぎょうざに手を伸ばします。
楽しい食卓の記憶がつまった絵本
本作は、作者のかとうまふみさんがはじめて手がけた絵本。かとうさんはあとがきでこのように書いています。
こどもの頃いちばん楽しかった日を、思い出してかきました。
どんな家庭にも、いろんな日があります。いい日ばかりじゃありません。
でも〝みんなでごはんを作って、笑って食べた日〟の記憶は、
大きくなってからの辛い時を、どこかで必ず支えてくれます。
母になり、そう実感するようになりました。こどもたちの楽しい食卓の記憶が、もっともっと、ふえていきますように。
みんなでつくって、みんなで笑いながら食べる楽しさがいっぱいつまった絵本です。