政治家の「秘書」って、よく聞くけど、実際は何をしているのでしょう。そんな疑問を辻元清美議員の秘書を長年つとめてきた長谷川哲也さんにたずねてみました! 秘書の仕事ってどんなこと? 秘書からみた辻元さんはいったいどんな人?
左が長谷川さん。議員会館の事務所にて
学生時代にピースボートのスタッフをやっていて、清美さんと出会いました。就職してはなれていたんだけれど、ある日電話がかかってきて。議員辞職していたときでした。もういちど挑戦したいから、手伝ってほしいっていわれたんです。政治にかかわったことはないけれど、じゃあ選挙1回くらい手伝うかな、と思ってはじめたら、あっという間に20年近くたちました。
秘書の仕事って、本当にいろいろで「何でも屋」です。本人の日程管理や名簿の整理、ポスター貼りなどはもちろん、国会での質問を作るお手伝いも大きな仕事です。内容についてしらべたり、どう聞けばいい答えが引き出せるかとかもいっしょに考えたりします。
秘書のなかには「法律」や特定分野の専門家の人もいるけど、ぼくはそうではありません。あえていえば専門は「辻元清美」でしょうか。本人はものすごく爆発力があるんだけど、それだけに自分のことを客観的に見られないときもある。だから、ぼくは本人以上に「辻元清美」の専門家じゃないといけないと思っています。
けっこうけんかもするんです。「なんで私のやりたいことを止めるんだ」とかで……。意見をいうことじたいができないような議員もいるけど、清美さんはちがうかな。秘書たちもふくめたチームでやっているって思っているので、つっぱしることも多いけど、大事なときはちゃんとまわりの意見を聞く。強くて迷いがないように見えるかもしれませんが、実は繊細で、ものすごく悩む人なんですよ。こうしたいと強く思うぶん、悩みも大きいのかな。
「かわりに言ってくれてありがとう」という手紙や電話をもらいます。見知らぬ人のきもちに届くのは、彼女が多くの「声にならない声」に耳をすませているせい。あるひとりが国会にいるだけで未来が大きく変わることがあります。毎日バタバタで忘れがちだけど、自分はその現場に立ち会っているのかもしれません。仕事しながら、貴重な経験をさせてもらっていると思います。
談/長谷川哲也(秘書)