編み物、したことありますか? 今日ご紹介するどいかやさんの絵本『ねこのニャンルー』では、ねこの女の子がはじめての編み物に挑戦! その毛糸はね、とっても特別な毛糸なんです。
ねこのニャンルーがはじめて編むのは?
ねこのニャンルーは、お父さん、お母さん、双子の弟ニャンクーとニャンムーと、森のコナラの木の下の家でくらしています。季節は秋。寒い冬にむけて、ほしがきをつくったり、どんぐりをひろったり、おいもを大忙しです。
ニャンルーのおうちのそばには、おばあちゃんも住んでいます。ある日、ニャンルーがおさかなを届けに行くと、おばあちゃんはニャンルーのために、毛糸のぼうしを編んでくれているところでした!
「わたしも あみものしてみたいな。」
思わずつぶやいたニャンルーに、おばあちゃんはとっておきのを出してくれます。それは、なくなったおじいちゃんが来ていた水色のセーター。
「ニャンルーが これで なにか あんでくれたら、おじいちゃんも きっと よろこぶわよ。いつも このセーターを きて、ニャンルーを だっこしていたんだもの」
思い出のセータの毛糸をほどいて、ニャンルー、初めての編み物に挑戦です! 編みあげるのは、セーターの毛糸をぜーんぶつかった、長い長いマフラー!
手仕事の楽しさ、家族のあたたかさを描く
ニャンルーと同じように、自然の中で(たくさんのたちに囲まれながら!)ていねいな暮らしをおくっているどいさん。どいさんがご自身の生活のなかで培ってきた、のまわりにある自然や小さな植物への愛情あるまなざしが、絵本からも伝わってきます。
季節のめぐりのなかで営む生活、家族との大切な時間、手仕事の楽しさが描かれた本作。これまでの家族の思い出を大切にしながら、またあたらしい思い出をつくっていく、家族の物語です。
ニャンルーたち家族のあたたかな絆でむすばれた仲むつまじいようすに、絵本をとじたあとは、心がぽかぽかとしているはず。色鉛筆で描かれたやさしく愛らしいどいさんの世界を、お楽しみください!
最後の見返しもぜひ見てみてくださいね。うれしい発見がありますよ!