秋もだんだんと深まってきました。これから各地で紅葉が始まりますね。鮮やかなにつつまれると、なんともいえない幸せな気持ちになります。
きょうご紹介する『もりのかくれんぼう』(末吉暁子 作/林明子 絵)の舞台は、紅葉した森の中。読者もいっしょに探して遊べる、すてきなかくれんぼが始まります!
けいこがまよいこんだのは、秋の森の中。そこで出会ったのは?
お兄ちゃんとけいこは、公園であそんだあと、家に帰るところです。「うちまで きょうそうしよう。」と言って、お兄ちゃんは、ぱっとかけだしてしまいました。
けいこがお兄ちゃんを追いかけて石垣の角をまがると、生け垣の下をくぐるお兄ちゃんの足が見えました。いつもとちがう道でしたが、「あっ、ちかみち いくのね。」と、けいこもまねっこして生け垣をくぐってみました。
すると、ふしぎなことに、そこにお兄ちゃんの姿はなく、けいこは見たことのない森の入り口に立っていました。金色にけむったような、秋の森です。
森の中で出会ったのは、かくれんぼの達人「もりのかくれんぼう」!
森の中を歩いていったけいこは、ふしぎな少年に出会いました。その名も、「もりのかくれんぼう」。木の枝や葉っぱと同じ色をしたこのふしぎな少年は、かくれんぼが大の得意だといいます。「どうだい、もりの なかまたちと かくれんぼしないかい。」もりのかくれんぼうに誘われて、けいこはかくれんぼをすることにしました。
「かくれんぼするもの、よっといで!」もりのかくれんぼうのかけ声に集まってきたのは、たくさんの動物たち! くま、きつね、りす、とかげ……鬼になったけいこは、みんなを次々と見つけていきます。
さて、次はくまさんが鬼の番です。けいこはもりのかくれんぼうと一緒に、しげみの中にかくれてじっと息をひそめますが……?
絵にとけこむ動物たちを、けいこと一緒に探そう
かくれんぼの場面では、読者も探して遊ぶことができます。動物たちの見事なかくれ方は必見! 次のページで、どの動物がかくれていたか、答え合わせができます。
これはくまさんです。左の絵はかくれているところ、右が見つかってでてきたところ。とっても上手にかくれています!
紅葉の時期にぴったりの、楽しくあたたかな一冊です。絵も文章も、じっくり楽しんでくださいね。