今年の夏は、とんでもない暑さですね。数日なら「暑いね〜」とうちわをぱたぱたと仰いでしのげますが、こんなにも熱におおわれた日が続くと、出口が見えず、心もぐったりしてしまいます。今回紹介する絵本は、内田麟太郎さんと、村上康成さんのコンビによる『なつはうみ』。涼しげな表紙を開くと、そこに待っているのは、あまりの暑さにぐったりとした動物たち。ぜひ共感しながら読んでいただきたい、今年の暑い暑い夏にぴったりの1冊です。
とんでもない暑さの夏。動物たちもふらふら、からっから
とんでもない なつでした。
ひゃくねんぶりとも、
せんねんぶりとも、
おもえるような あつさです。
いえ、ツキノワグマだけではありません。そばにある岩も、アゲハチョウも、タヌキもキツネも、みんなじっとりと汗をかいています。そこでツキノワグマはさけびました。そう、やまじゅうにさけんだのです!
「うみへ、いくぞー。」
ページを開いたら、ひんやり冷たい、海!
こちらまで喉がかわいてきそうな、熱々のオレンジ色の場面から一転、ページをめくると、そこは最高に涼しく冷たい、海!
たっぷり涼んだツキノワグマたちは山へ帰ろうとしますが、おやおや、振り返ると山がいません。山はどこへいったのか? もしかして山も暑くて…!?
読んでいるだけで、すっと海の冷たさが伝わり、涼やかな気持ちになる絵本。ぜひ、この夏お手にとってみてください!