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作家が語る「わたしの新刊」

「じかん」について考える絵本『じかんはともだち』てづかあけみさんインタビュー

2025.09.16

私たちの毎日に必ずついてくる「時間」という概念。1秒、1分、1時間、1日……でも、いったい時間ってなんでしょうか? 『じかんはともだち』は子どもに聞かれても言葉ではなかなか説明ができない「時間」について、文とイラストでわかりやすく解き明かした絵本。てづかさんに本書についてお話を伺いました!

「時間」はてづかさんのなかで長くあたためられていたテーマと伺いました。

きっかけは編集さんからテーマをいただいたことですが、以前から「時間」を表現するイメージはさまざま浮かんでいたので、まさに渡りに船でした。

口で説明するのはとても難しい「時間」という感覚がとてもわかりやすく描かれていて、さらに、時差や生き物によって異なる時間にまでふれられているのがすごいですね。構成はどうやって考えられたのでしょうか?

「時間」とひとくちにいっても、本当にいろいろな種類の切り口がありますよね。いろんな案を出しましたが、最終的に伝えやすく全体の構成を整えてくれたのは編集さんです。

最初のラフにあったシーン

ただ冒頭の「川の流れで時間の流れを表す」イメージには思い入れがあって、ここは最初に提出したラフからありました。

自宅から川が見えるせいもあるのですが、学生の頃、少しだけ野宿をしながら川をボートで下った夏休みの体験があり、流れを読む感じ、オールを使うポイントなどを感覚として覚えています。同じ川でも端っこと真ん中ではスピードが全然違っていたり、川の上では急に進路変更ができなかったりとか。

今回「オール」については文にはしていないのですが、オールを使うタイミングは、時間という川の流れと仲良くするコツだと思っています。「オール」は、個人個人の感覚「アンテナ」みたいなものかもしれません。この流れどうかな?? と違和感をおぼえたら、オールを使って流れを変えると、1か月後、半年後、1年後、大きくかわっているかもしれません。

あと「1秒」を表す表現は自分の小さな発見でした。パン!と手をたたいてひらく。これで1秒。思いついてカウントしていったら何度やっても 10秒、30秒、60秒が割と正確にとらえられるんです。頭だけで数えると結構ズレる。体の動きを加えると把握しやすいんですね。

このページは、読んだ人みんな思わず手が動いてしまいそうです。ちいさなお子さんでも簡単にとりいれられる時間の数え方ですね。タイトルの『じかんはともだち』には、どんな思いがこめられていますか?

時間割があったり、毎日同じバスや電車に乗らないと行けないなど「とけい」とにらめっこの生活が多くの人にありますよね。いつも対峙している。「とけい」ではなく「自分のじかん」をとなりに携えて、タッグを組んで今を楽しむことにフォーカスしてみる。そんな思いを含んだタイトルです。(自分にも言ってます 笑)

思いがこめられたラストシーン

これまでも身のまわりにあることをポップでわかりやすく伝える絵本をたくさん描かれていますが、小さな頃から身近な疑問をときあかすのがお好きだったのでしょうか?

ものごとを知ると色々なことにつながっていっておもしろい、と気づいたのは歳を重ねてからですね。本当は知らないことだらけなのに「そういうものだよね」で片付けてしまって疑問を持つこと考えるのをやめてしまうのは、むしろ大人の方ですよね。だから、私の本は大人にも向けて作っているのかもしれません(笑)。

いつでも、何歳でも、疑問を持つことは新しい扉を開くきっかけになるので、そのきっかけ作りになる身近な存在になれたらいいなと思っています。

てづかさんが手がけられた絵本

てづかさんがお好きな時間の過ごし方について教えて下さい!

時間と時間がつながった時が好きですね。

なんとなく今日はいつもと違うこっちの道を歩いてみようと曲がってみたら、久しぶりに会いたかった人にばったり会えた「偶然の時間」とか、空を見上げて「オーロラ見たいなぁ」とイメージしていて、何年後かに本当にオーロラを見上げてる自分がいて「過去と今がつながった時間」とか、時々現れる時間のプレゼントみたいなものが大好きです。

でも、やっぱり「平和だなぁ」としみじみありがたみを感じながらイヌと昼寝している時がいちばんいいですかね。

時間のプレゼント! いい言葉ですね。平穏で平和な時間が、大人になるとより大切になってきますね。今日はありがとうございました。

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