手やからだ、表情をつかってコミュニケーションをとる「手話」。偕成社では、気軽に手話に慣れ親しめる絵本や読み物、また聞こえる子も聞こえない子もいっしょに楽しめるDVDなどを出版しています。その中からいくつかの作品をご紹介します。

クイズ形式で自然に手話に親しめる絵本『しゅわしゅわ村のおいしいものなーに?』(くせさなえ 作・絵)

しゅわしゅわ村のおいしいものがたくさん登場。「あつくて パリパリ とどけてくれることもある これ なんだ?」と、手話つきでクイズが出されて、ページをめくると……正解は、ピザ!「わあ のびるー!おいしいね!」。

1つのクイズで「ピザ」「のびる」「おいしい」3つの手話が登場。クイズを楽しみながらしぐさをまねると、自然と手話が身につきます。みがまえずに楽しめる手話絵本です。
この「手話ではなそう」シリーズには、乗りものがたくさん登場する『しゅわしゅわ村のゆかいなのりもの』や、応用編として、手話での会話を学べる『しゅわしゅわ村のはじめてのおつかい』などがあります。
タータンと手話でおはなし!『ノンタン・タータンあそび図鑑』(キヨノサチコ 作・絵)

ひらがな、英語、数字、しりとり、絵描き歌、めいろ……。ノンタン、タータンといっしょに、遊びながら学べる盛りだくさんの一冊です。
「タータンと手話でおはなし!」というページでは、ノンタンの妹、タータン(耳が聞こえない)が手話をおしえてくれます。タータンのうごきをまねして、楽しくチャレンジしてみましょう!

手話×ミステリー! 著者初の児童書『水まきジイサンと図書館の王女さま』(丸山正樹 作/高杉千明 絵)

主人公の美和は、お母さんの再婚相手で、コーダ(ろう者の両親をもつ聴者)として育った義父から手話を習っています。その友だち、英知は場面緘黙症をもつ少年。二人は手話を使って心を通わせながら、身近で起こるふしぎな事件の謎に挑みます。

美和の義理の父というのは、『デフ・ヴォイス〜法廷の手話通訳士』(文春文庫)の主人公で、手話通訳士として活躍するアラチャンです。
ドラマ化でも話題となった『デフ・ヴォイス〜法廷の手話通訳士』(文春文庫)の、子ども向けのスピンオフ作品。続編『手話だからいえること 泣いた青鬼の謎』も合わせてぜひお読みください。
聞こえる子も聞こえない子も楽しめる『DVD 手話で楽しむ絵本』(早瀨憲太郎 手話語り手)

ろう者の早瀨憲太郎さん*が、3冊の絵本を手話で読み聞かせるDVD。手話で語るバージョン、声で読むバージョン、手話+字幕つきのバージョンの3種類を収録。聞こえる子も聞こえない子も、何度でも楽しめます。
*生まれたときから耳が聴こえない。ろう児を対象とした学習塾「早瀬道場」を経営。映像作家。
収録作品:
『ノンタンがんばるもん』(キヨノサチコ 作・絵)
『ともだちや』(内田麟太郎 作/降矢なな 絵)
『しゅわしゅわ村のおいしいものなーに?』(くせさなえ 作・絵)
『おどっているよ、わたしのて 目で見ることばでおはなししたら』(ジョアンナ・ケ、チャリーナ・マルケス 文/フラン・アルヴァレス 絵/ミレナ・イノセンシオ・ドミンゴ 訳)

最近となりに引っ越してきた女の子マイから手話を教わったサム。「いつも、てがおどっているみたい」とサムが感じる、手話の美しいうごきとともに、言葉のちがいをこえて心を通わせる二人の姿を描きます。
作中で使用されているのはフィリピン手話です。巻末に手話の解説つき。
【2025年11月発売予定】

聞こえない人にとっての大切な言語である手話。手話を知ることは、聞こえない人々の文化を知り、尊重することにもつながります。今回紹介した絵本や読み物のほかにも、子ども向けの手話の本はたくさん出ています。興味があったらぜひ調べてみてください。
























