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今週のおすすめ

子どもたちに贈る『昆虫記』絶好の入門書!『ファーブル昆虫記 名場面集』

世界中の虫好きから100年以上にわたり愛されつづけている『ファーブル昆虫記』。みなさんも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。『ファーブル昆虫記 名場面集』(奥本大三郎 文/今森光彦 切り絵)は、子どもの頃からこの本に魅せられてきたふたりの著者が、全10巻の『昆虫記』から名場面を選び、迫力ある切り絵と親しみやすい文章で紹介した本。巻数の多い『昆虫記』に挑戦する前の入門書としてぴったりの2冊です!

ファーブルに魅せられた著者のふたりが選んだ、各16の名場面!

 『昆虫記』は、フランスの博物学者、ジャン=アンリ・ファーブルによる、昆虫の生態に関する研究記録です。1879年に第1巻を刊行して以来、約30年の歳月をかけて書かれた、全10巻におよぶ作品です。

 好奇心と探究心に満ちた『昆虫記』は多くの人々の心をつかみ、意義ある研究としてはもちろん、読み物としても人気を博し、ノーベル文学賞の候補になるまでに至りました。刊行から100年以上たったいまでも、世界中の虫好きの方から支持される名著です。

 『ファーブル昆虫記 名場面集』の2作は、日本におけるファーブルの第一人者である奥本大三郎さんと、写真家で切り絵作家でもある今森光彦さんの、「ファーブルの名著をより気軽に手にとってほしい」という思いから生まれました。

『ファーブル昆虫記 名場面集Ⅰ』より「えものを狩るハチ」

全10巻におよぶ大著から、ふたりが厳選した名場面を、読みやすい文章と、虫たちの生態を鮮やかにとらえた切り絵で紹介しています。1見開き1エピソードで、ファーブルのつぶさな昆虫の観察と実験を経て記録された、驚くべき昆虫の生態を知ることができます。

『ファーブル昆虫記 名場面集Ⅱ』より動物のふんを転がして運ぶ「スカラベ」

まずしい農民の子から博物学者に! ファーブルの生涯とは?

 ジャン=アンリ・ファーブルは1823年に、南フランスの貧しい農民の家に生まれました。幼い頃から、疑問に思ったことは自分でたしかめてみないと気がすまない、探究心にあふれた子どもでした。10歳のとき、運良く学校で学ぶチャンスを得たことから、熱心に学問に取り組み、成績優秀で師範学校にも合格。18歳で小学校の先生になりました。その後も引き続き独学にはげみ、やがて昆虫学にひきよせられていきます。

 こうして、教師の仕事の傍ら、昆虫を観察しながら実験を重ね、本の執筆もするなどして、長年にわたりお金をためたファーブルは、55歳のとき、念願かなって南フランスのセリニャンという村のそばに、広い土地を購入。「アルマス」(荒れ地の意味)と名付けた虫たちのすむ楽園で、だれにも邪魔されることなく思いのままに昆虫の研究をしながら『昆虫記』の執筆をはじめたのです。

 『ファーブル昆虫記 名場面集Ⅰ』の巻末には、もっとくわしいファーブルの生涯、『ファーブル昆虫記 名場面集Ⅱ』の巻末には実際に「アルマス」の地をたずねたふたりの著者による、ファーブルの研究所やその研究についての解説も収録しています。

 『昆虫記』の入門書としてぴったりの2冊。ぜひお手にとってみてくださいね。

●『ファーブル昆虫記 名場面集Ⅰ』に登場する主な虫……ハキリバチ、コブツチスガリ、アラメジガバチ、オオモンシロチョウ、オオクジャクヤママユ、カシシギゾウムシ、イナカコオロギなど。

●『ファーブル昆虫記 名場面集Ⅱ』に登場する主な虫……スカラベ、キンバエ、モンシデムシ、ウスバカマキリ、ミノムシ、オオナミゼミ、アポロチョウ、オオヒョウタンゴミムシなど。

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今日の1さつ

子どもの心にかえって、わくわく&しんみりしながら、1つ1つのお話を読みました。素朴だけれど深みがあって、何度も読み返したのです。私も杉先生のように、身の周りの小さなものや人を大切にできるようになりたいです。表紙も渋くて最高です。ありがとう!(32歳)

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