まだ体が寒さになじんでないせいか、12月は一年で一番寒く感ずる月。特に今年は11月で最高温度がプラスにならない真冬が5日も続いた。今月になっても、北からの寒波は当然の顔つきでやってきて、そして居座る。雪は毎日チラチラ、ボソボソと降っている。そのため雪面のページは毎日更新されて、私はそこに残された記録を読むのが朝の楽しみのひとつとなる月である。
その朝、雪面に広げた翼の跡がついていた。大きさから考えるとカケスにみえるが、ハイタカかもしれない、遊びにくる誰かをねらったのだろう。ねらわれたのはシジュウカラかヤマガラだろうか。でもよく見るとそんなドラマチックなことではないのかもしれない。でもあれこれ考えるのが朝の楽しみ。
先日目の前でヒヨドリが襲われたのを見た。生きてゆくためには誰かの命が必要なのだと自分にいい聞かせる日が続く。雪面ははっきりと証拠を残して報告するので、そうつぶやいて納得することにしている。広い放牧地でコミミズクの狩りを見た。みごとというより美しいと思った。命のやりとりがこんなに美しい形で見せられると、自然のありようにただただ平伏する。いつものことだが12月の雪面の饒舌には飽く事ことのない楽しい時間をもらっている。
ベランダに出て見上げるカラマツ枝に今日は別客があった。毎朝一時間あまりキタリスが食卓と決めていた枝に、オジロワシが一羽。ひょっとすると毎朝の通勤客をねらったのかもしれないが、キタリスの敏捷さから「それは無理でしょう」とつぶやきながら写真を一枚。