お盆も過ぎ、夏休みも後半になりました。そろそろ新学期のことを考えはじめお子さんも多いのではないでしょうか。
日中しか過ごさないからか、昔から夜の学校にはこわーいイメージがつきものですよね。夏といえばおばけ、学校といえば怪談……きょうは、ちょっぴりこわい、夜の学校が舞台の絵本『学校ななふしぎ』(斉藤 洋 作/山本 孝 絵)をご紹介します。
同じ場所なのに、日がくれると、ようすがまるでちがってしまうところ。
昼間はたくさんの子どもたちであふれ、にぎやかな学校も、夜になるとだーれもいなくなり、静かになります。そんな夜の学校には、行ってはいけません。もし、いくとね……。
「トイレの花子さん」「音楽室のベートーベン」「おどりばのかがみ」……こわ〜い小話がたくさん!
ページをめくると、夜の学校を舞台としたこわい話が次々と登場します。
「ひが くれたら、 つかっては いけません。」と書かれたトイレのドア。もし、そこに入ってしまうと、知らない声を聞くことに……
「わたし、花子さん。ここは わたしの トイレなの……。」
夜、だれかが花子さんのトイレに入るのを見た人はいても、出てくるのを見た人はいないのだそう……。
ほかにも、「夜12時の音楽室で、肖像画から抜け出してピアノを弾くベートーベンを、絵の中に一緒に連れていかれてしまう」、「夜、階段のおどりばに誰かがいるのを見つけ、近づくと鏡に自分がうつっているだけ……翌朝おどりばに行ってみると、そんな鏡はない」、などなど、ブルッと身ぶるいしてしまう話が続きます。
斉藤さんと山本孝さんのコンビが作り出す、こわくて楽しいふしぎな魅力
ほかにも、いろいろな話が出てくるのですが、ご紹介したような大人もこわくなる話もあれば、中には「年に一度、9月4日は、おばけたちの運動会“おばけんぴっく”の日」といった、ゆかいな話もあります。斉藤さんならではの絶妙な語り口調と、ふしぎな世界が広がります。
勇気を出して、ページをめくってみてください! だんだん学校のおばけに親しみがわいてくるかもしれません。